カラースキャナを買ってみたのでレビューしてみる


仕事で使っていた小型プリンター。

モバイルプリンター

HP Officejet 150 Mobile AiO。
小型でバッテリー駆動可能、スキャナ付きのオールインワンプリンタ。
現場事務所を構えられない現場や、比較的短期の現場で重宝していました。

今携わっている現場は予算がなく、建築さんの事務所の一角を間借りしている関係で、このプリンタを持ち込んでいました。
数日前から、起動時に異音が出るようになり、突然エラーで印刷不可能に。
原因は。

ベルトが…

ベルトが切れた!

HPのプリンタはベルトが切れると前から聞いてはいたのですが、実際に切れたのは初めて。
で、修理に出そうかとは思ったのですが、ちょっと気に入らない点が数点ありまして。

・プリンタはBTでつながるのに、スキャナはUSBでつながなければいけない。
・USBメモリへのダイレクトスキャンはできるけど、USBポートが後ろの使いにくいところにあってめんどくさい。
・iPhoneはBTで接続できない。別売りのWi-Fiアダプタが必要。
・思った以上に厚みがある。ノートPC用キャリングバックが使えない。

そもそもスキャンもシートフィードしかないので、ぺら紙以外はスキャンできません。
ということで、これを機にスキャナとプリンタを個別でそろえることに。

といっても、スキャナは必須ではないので、値段を見て考えようとAmazonを見ていると。
A4対応のカラーハンディスキャナって安いんですね〜。
で、安いスキャナの中で、シートフィードに対応していてなおかつハンディスキャナにもなるタイプの機種を選択。

というわけで今回は。

安物カラースキャナを買ってみたのでレビュー




今回買ったのはこれ。

サンワダイレクト 2WAY ハンディスキャナ シートフィード対応 OCRソフト付属 A4 PDF/JPEG 高画質1200dpi ドキュメントスキャナ 400-SCN040
サンワダイレクト ドキュメントスキャナ 400-SCN040
気になるお値段14000円をちょっと切るくらい。
決め手となったのは、シートフィード対応な所と、1200dpiのスキャンができるところ。

正直言って1200dpiでのスキャンはほぼしません。
で、ハンディスキャナのみでよければ5000円台からごろごろしてます。
ただ、私は自分が不器用なことを自覚していまして。
”ハンディスキャナだと絶対まっすぐスキャンできない”
後、ハンディスキャンは結構場所をとるので、狭い場所では不向き

現場でのスキャンで結構多いのが、書類の鑑。ぺら紙なのでシートフィーダがあれば楽。
ということで選びました。

頼んでから中2日で到着。

スキャナの箱

日本語表記の全くない箱に一抹の不安が。
しかも・・・

つぶれてる・・

緩衝材に包まれていたにも関わらず、つぶれかけの箱。
一瞬、”あれ?海外のショップだったっけ?”と、首をかしげてしまいました。

中身を確認。

中身

とりあえず中身は無事で一安心。
全部出してみます。

内容物上段

上の段に、スキャナ本体・USBケーブル・ケース。
これだけ出して、透明なプラを外すと、その下に。

内容物下段

ドライバCDと取説が。
取説はきっちり日本語でした。
というより、取説以外に日本語が見当たらない。
要は海外製品に日本語取説を付けて売っていると。
・・・・
まあ、ある程度信頼しているメーカーなので問題はないとは思いますが。

スキャナ本体はこんな感じ。

本体

艶ありプラスチック。そこそこキレイ。
あまり安物っぽくはありません。

スキャナ部分は、ハンディスキャナとドックに分かれます。

分裂

・・・途端に安物っぽさが・・・
外すときは右側のボタンを押しながら持ち上げます。

ボタン

ボタンというかなんというか。ノッチ?

はめるときは、左側の端子部分をはめてから、右側を押し下げます。

ハンディスキャナのここにSDカードをセット。

SDはここに差し込む

メモリは内蔵されてないので、SDカードを入れるか、PCに直接転送するか。
カードが抜き足しやすいところにあるので、今回はケーブルをつながなくてもよいSDカードで使ってみました。

でもって電源。
ハンディスキャナなので持ち運び重視。
でもお値段がお値段なので、電源は乾電池。
スキャナ部分に3本、ドックに6本の単3電池が必要です。

本体に3本
ドックに6本

しかもアルカリ電池専用とのこと。
試しにエネループを入れてみたところ、ハンディスキャナ単体では動くのですが、ドックにつなぐ場合は充電直後の電池を入れても電池切れマークが出ちゃう。
ちなみに、ドックに接続して使う場合はスキャナ側に電池が入ってなくても使えます。
また、USB給電に対応してますので、電源のある所やPCにつないで使う場合は電池がなくても使えます。
スタンドアロンで使う場合は、とりあえずドックに6本アルカリ電池を入れておけば問題なく使えます。



さて、こういうのはカタログスペックと実際のスキャンの品質が合わないこともしばしばあります。
特に安いものはその傾向が強いような気がします。
なので、サンプルをスキャンしていろいろ実験。

とりあえず、スキャンの速さを確認したい。
ということで、ポストカードサイズのサンプルを数枚準備して実験。



おお、スキャンが早い!
A4カラー1200DPIでこの速さなら及第点。
連続スキャンすると、スキャンとスキャンの間にちょっとタイムラグがあります(多分、データを記録している時間かと)が、スキャン自身は結構高速。
紙を差し込めば自動的に動き出すので、手間もかかりません。
ただ、動き出すのが早いので、紙のセットがちょいと難しい。
差し込むときにちょっと斜めになっていると、斜めのままスキャンしちゃうのが玉に瑕。
まっすぐに入れるのに慣れが必要です。

スキャンスピードは十分満足。
お次はスキャナの命、画質を確認。
まずはカラースキャンから。
サンプルとして、著作権フリーのデータをここから借りてきました。

カラーサンプル

風景と人物。よくあるポートレート風の写真データ。
これを、A4普通紙とL版写真用紙に印刷。


それぞれ、1200dpiモードでスキャン。


スキャン結果がこちら。
こちらがA4

A4

レーザープリンターで出力したものをスキャンしてます。
(HPへ載せる関係で縮小してます。) 元のデータの画素数がいまいちなので、A4で印刷するとジャギーが出てしまいます。
スキャンしたデータもしっかりジャギー読んでます。
発色はまあまあ。可もなく不可もなくって感じです。

こちらがL版

L版

L版の艶あり写真用紙にインクジェットプリンターで印刷してます。
印刷したものはきれいに見えてましたが、さすがに1200dpiでスキャンするとジャギーが見えてしまいます。
また、用紙素材の差からか、発色は抑えめ。
この辺は好みの分かれそうなところです。

そうそう、このスキャナ、モノクロ・カラーの切り替えとdpiの変更は設定でできますが、用紙サイズは自動で判別。
シートフィーダ側に縞模様が入っていて、これでサイズを判断しているっぽい。
ちょっとずれて入ってしまったり、斜めに入ってしまったりしても全部分スキャンしてくれます。
ただ、スキャン結果を見てみると、A4のほうにだけうっすらと縞模様が入っています。
紙の厚い写真のほうにないところを見る限り、薄めの紙だと裏の縞模様が透けて入ってしまうみたい。
気になる場合は厚手の紙に印刷するか、裏に白紙を当ててスキャンするなどの工夫が必要かと。

次はモノクロスキャン。
サンプルがこちら。

モノクロサンプル

よくある書類の一枚。国交省のサイトからお借りしました。

さて、取り込む段階になってハタと気が付きます。
こういう素材を取り込むときに便利な、モノクロ二値のモードがない。
印鑑の押してない書類ならモノクロ二値、印鑑を押してある書類であればインデックスカラー8色か赤黒2色のモードがあると重宝するのですが。
仕方がないので、グレースケールで画素数を変えてスキャンしてみます。

結果はこちら。

BW300dpi
BW600dpi
BW1200dpi

上から、300/600/1200DPI
300DPIでも思った以上にくっきりはっきりしているのですが・・・
紙の白い部分が結構グレーっぽく取り込まれてしまいます。
印刷部分は十分きれいなだけに惜しい状態。
モノクロ二値モードがあるか、閾値設定で白い部分を白で取り込めればそのまま使えるレベルです。
ちなみに、1200dpiのデータを画像処理でモノクロ二値に変換してみたのがこちら。

L版

十分実用できるレベルです。
ぜひモノクロ二値・カラー8色モードの搭載を!>メーカーさん


さて、ここまでの記事を読んで、”あれ?付属のソフトは?”と思ったあなた。
私、付属ソフトは使っていません。
ちなみに付属ソフトでできることは・・・

・スキャンしたデータをEXCELなどに直接張り込み
・OCRで文字化(認識率80%とのこと)
・名刺を取り込んで、テキストデータに変換。住所録ソフトに取り込めるように
・画像処理(色彩調整)

とのこと。
個人的に欲しい機能が全くないです。
ソフトを入れなくても、USBでつなげばデータはとり込めるし。
せめて、本文中に書いたモノクロ二値・カラー8色に自動変換できる機能があればインストールするんですが。

あと、ちょっとだけ問題点が。
シートフィードでスキャンする場合、用紙の一番頭の3o程度がスキャンされません。
書類のスキャンであればほぼ気にならないのですが、古い写真(しかも標準サイズの小さい写真)だと結構気になります。
写真のスキャンをメインで考えている場合で、3o程度スキャンされなくても気にしないなら問題ないのですが、気になる人にはちょっとお勧めできないかも。


というわけで、付属ソフトの評価は全くありませんが、この価格でこれだけのスキャンができればほぼ満足。
新しいプリンターとともに現場で活躍してくれることを期待!


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