買ってしまった!3Dプリンターその3


前回までの記事でくみたては完了。
キャリブレーションも済ませて、いよいよ印刷開始!

3Dプリンターを買ってしまった!その3



キャリブレーションが終わったら、やはり何か印刷したいところ。
付属のテストデータを印刷しようと思いまして。
でもアルミのベッドにじかに印刷は嫌だなぁ。

・・・そういえば、これってなに?

付属のテープ

付属のテープ。表面ザラザラ。
説明書には使い方が書いてありません。
これ、ベッドの定着テープ?

ヒートベッドに張り付け

とりあえず、ほぼ隙間なく貼ってみます
。 あとはフィラメントをセット

フィラメントセット

付属のフィラメントはPLAかABSか書いてなかったので、購入したPLAのをセット。
で、PCでデータをgcodeに変換してSDに保存。
付属のCuraというソフトで.stlファイルを変換できます。
SDカードにデータをかき出し。
3Dの印刷は時間がかかる(小物でも1時間はザラ)ので、PCから直接印刷は避けたいところ。
SD経由ならプリンタの電源さえ入っていれば勝手に印刷してくれます。

問題はこのSDを挿すところ。
説明書にはLCDに挿すように書いてありますが・・・

ここにさしても認識しない

制御基板側に挿さないと認識してくれません。
しばらく悩んでしまいました。

SDカードは制御基板へ

ちなみに使ってみたのは、手持ちの64MBと512MB。
gcodeのデータ自体は小さいので、こんなサイズのメモリカードでも十分です。
ファイル名はasciiしか使えないので、全角文字のファイルは認識しないか、認識しても印刷しません。

LCDにてPrintFromSDからファイル選択。
テストファイルを選んで印刷!



・・・失敗orz

Z軸稼働用の全ねじを固定する連結器が斜めになっていまして、ヘッドが上がっていく途中で負荷がかかり上にいかなくなってました。
ヒートベッドに押し付ける等に印刷していて、上5o程花が咲くように開いてました・・・

連結器を再調整。
今度は印刷前にLCDにてPrepare→Moveaxis→Move1mm→MoveZでZ軸を上下させ、問題なく動くか確認。
(ちなみに説明書には”実行しないでください”と書いてあります。試す場合は自己責任で。)
問題なさそうなので、再度印刷・・・しようと思ったんですが、テストデータじゃつまらない。
何か面白そうなデータがないか、ネットを探しまして。
Shadeのページの無料配布データからHanakoさんの寝姿をダウンロード。
Curaで変換して、印刷開始!



完成!
今度はうまく印刷されました。
このHanakoさんのデータ、足の角度が微妙だったので、台座とサポートを自動生成してみました。
で、印刷開始直後。

印刷開始

膝立ちしている足の下にサポートがありません。
45度よりきつい傾斜でないとサポートは発生しないみたい。
また、内部を埋める補強が四角です。
店長さんのところの3Dプリンターはハニカム構造だったのでちょっと意外。

形が見えてくる

これくらいになると形がはっきりしてきます。
肝心の足の部分。

この足の角度でサポートなし

この角度でサポートなし。
店長さん所の3Dプリンターはサポートの設定をするとほぼ全体にサポートを作っちゃうのでこれも意外。
ただ、Curaではサポート付きのデータを見れないので、実際に印刷してみるまでサポートの形状がわからないのはつらいところ。

でもって完成

完成

ベッドからはスクレーパーで軽く持ち上げるとぺりぺりと外れます。
結構いい出来。(自画自賛)
印刷が荒いので、等高線がはっきり見えます。

等高線が見える

サポートと台座を本体からはがしていきます。

サポートをはがす

実際に剥がしてみると、割と簡単に剥げるところと硬くてなかなか剥げないところがあります。
隙間が狭ければ狭いほどがっちりついちゃってる感じ。
でもって・・・

剥ぎきれない

背中の一部分が剥ぎきれませんでした。

とりあえずテスト印刷がまあまあだったので気をよくして次のデータへ。
前から作りたかったものがありまして。

FLIRスマホケース

サーモグラフィーFLIRのスマホケース
純正品は真っ黒。
これだと本体の色やデザインがまったく意味をなさないので、透明なのがほしい。
取り合えず、iPhone5S用のケースのデータを拾ってきて、フックの部分を加工。
見た感じ良さそうなので印刷!



えーと、平たいデータだったのでサポートなしで印刷したのですが、台座の設定を外し忘れちゃいまして。

スマホケース失敗

台座とケースが一体化orz

もう一度印刷することになるわけですが、付属のプラットホームシート、印刷物を剥ぐたびにびりびりと破れてしまいます。
そこで、こんなものを購入。

プラットホームシート

3M製3Dプリンタープラットフォームシート
表面つやつやの樹脂製シートです。PLA/ABS兼用。
・・・あとから買ったわけじゃなく、本体と一緒に買ったんですが、これだけ後から届いたりしてまして。
せっかく買ったんだから使ってみよう。
貼り方はスマホの保護シートと一緒。空気が入らないように片側から密着させるだけ。
・・・って、サイズが小さい。

ヒートベッドより小さめ

まあいいや、ここまで大きいものを印刷する予定はないし。
印刷するときは周りだけ付属のテープを貼ろう。
というわけでシート貼り。

貼る

透明でつやつや。ほんとに定着するのかな?

半信半疑ながら3Mを信じて印刷することにします。
ついでにデータの気になるところを修正。
こんな薄いものでも中空になっちゃうので、密度を100%に設定。
で、フックの部分がなぜか厚めになっちゃうので、床面の最低厚さを0.5mmに変更。
でもって、再度印刷!



スマホケース

印刷完了。きちんと定着してました。
このシートいいです。このいろいろ印刷してみましたが、接地面が小さくても割としっかり定着してくれます。
でもってスクレーパーで剥がします。
接地面が大きいので、よ〜くくっついていて剥ぎづらいこと。

成功に見える

失敗作と比較。
真ん中のフックの受け部分もうまくいったように見えます。

裏面

裏がつやつや

つやつや〜〜
まるで市販品のようなつややかさ。
もちろん反対面や側面はサラサラなので、市販品には見えませんが。

とりあえずFLIRにはめてみます。

うまくはまっているように見える

見た感じうまくいったように見えます。
では、スマホに装着!

本体装着

ちょっとゆるめ。
がたつくほどではないけれど、気持ち頼りない感じ。

裏面

軽く透ける

ほのかに透ける感じがいいです。
密度を100%にしたおかげで、変な模様も出ません。
印刷の縞は出ますが、これはしょうがない。
さて、見た目うまくいったように思えたケースですが、意外なところに欠点が。

コネクタが刺さらない

ケースが厚すぎて端子が完全にささりません
これではFLIRを認識できません。肝心なことに使えないので没。

結構がっくり来たので、ここで気晴らし。
立ち姿のフィギュアを印刷してみることに。
データはこちら。
雪印コーヒーおれたちのゆきこたんプロジェクト1stシーズンのフィギュアデータ。
これをダウンロードして、密度を10%にしてデータ変換。
予想印刷時間13時間超!
・・・とりあえず印刷してみることに。



えー、映像が乱れてます。
寝る前に印刷を始めたのですが。
最初の方、一瞬暗くなるのはスマホが落っこちたから。
でもって、印刷があまりに長すぎて、途中でスマホのバッテリがなくなりました。
途中から明るさが変わってるのは翌日の朝からとった分。日差しの変化で明るさが変わります。
ほんとに13時間以上かかってできたものがこちら。

足がない

足がない??
反対側は・・・

足が折れている

足が折れてる??

これ実はスマホケース印刷時の設定が悪さしてまして。
表面の厚さの設定を0.5mmにしちゃったので、フィギュア表面全体が弱々しいものに。
なんと、サポートと同じ厚さ
そのため、足が形状を保てなくて、印刷中にもげちゃったみたい。
しかも、サポートを外そうとすると本体がもげちゃう
大失敗。

気を取り直してスマホケースの改良。
完成品はこんな感じ。

スマホケース完成

個人的にはうまくいったと思います。
スマホ装着時はこんな感じ。

本体装着

割と普通。
右側の出っ張りが気になる?

FLIRに設置。

コネクタもしっかり

コネクタもしっかり入って、動作にも問題なし。
で、右側の出っ張りの正体。

三脚に固定

三脚固定用のねじ穴。
ちなみにねじは印刷してません。
ほんの少し小さめに印刷しておいて、三脚のねじを無理やり押し込んでタップ代わりにねじを立てました。

これを完成させるのに作った失敗作。

失敗作ご一同

大量orz
まあ、3Dデータの良いところは、一度完成してしまえば何度でも印刷できるところ・・・
何個もいらないけどorz

さて、三脚に固定できるようになったので、撮影も簡単にできるように。

録画準備

ゆきこたんに再チャレンジ!
壁の厚みを1.0mmに、床の厚みを0.6mmに戻し、全体の大きさを75%に縮小。
密度を20%にして再度印刷!



完成

完成〜〜
今度はある程度しっかりした出来栄え。
前作と比較。

比較

・・・見た目では大きさ以外の差は分かりませんね。
ヘッドの動きの名残か、パーツ間にクモの糸みたいなのが目立ちます。

サポートはこんな感じ。

サポート

この角度で見ると、綿菓子でつっくってあるみたい。
実際はがちがちですが。
サポートをとってみました。

サポートを取れるだけ

結構形が見えますが、はっきり言ってこういう造形をする場合透明なフィラメントは不向きです。
陰影がわかりずらいので、何が何やら。
でもってとり切れないサポートが・・・

サポートが硬くて取れない

牛乳パックの下のサポートがものすごく強固で、手ではがれません。
無理するとパーツをくじいてしまいそう。
(実際ミルククラウンの球が2〜3個割れてしまいました。)
サポートが少ないので、こんな弊害も。
首の下の鈴。

首の鈴は下半分なし

カウベルなんですが、下半分がありません。
細かい部分でサポートが発生しなかったっポイ。

さらに髪の毛。

髪の毛の下跳ねはボロボロ

髪の下側が結構はねてるんですが、見事に何にもありません。
縮小したのがいけなかったのかなぁ・・・

サポートと一緒になくなっちゃったもの。

尻尾は切れちゃった

尻尾の途中が切れてなくなっちゃいました。
細いパーツは弱いです。

Hanakoさんを2度印刷してみて思ったこと。
サポートが意外と強靭なので、パーツの強度が高くないとぽろぽろともげちゃいます。
表面の厚みを上げるのと同時に密度も上げて強度を出すことと、細いパーツはサポートをとるときに手でむしらず、カッターやニッパで負荷をかけずにとるよう注意。

まあ、フィギュアを作りたくて買ったわけではなく、単純に3Dプリンターを組みたかったから買ったので、ほぼ満足です。
スマホケースも完成したしね。
(負け惜しみorz)


ということで、一筋縄ではいかない3Dプリンターの組み立て&印刷でした。
実際に印刷しつつモデルを修正するのは結構楽しいです。
また、自分の機械なので、何の遠慮もせずに印刷できるのも気楽です。

今度は何を作ろうかな。液晶の枠の透明版でも作ってみようかな?



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