そんな欲望がふつふつと湧き上がってきたのは、こんなサイトを見つけてしまったから。
Apple Watch 38mmケースの3Dプリントデータが公開される。
このデータがあまりに良く出来ていたため、”これ印刷すれば本物のWatchのバンドが使えるんじゃね?”と思ってしまいまして。
で、どうせ印刷するなら、ただのモックアップではなく、何か使えるものにしたい、
ということで今回は。
まずは、上記のサイトのリンク先からデータを落としてきます。
そして、そのデータをいじるために、AutodeskFusion360(無償版)も落としてきます。
データを開いたら、不要な部分を消して、この状態にします。

このデータを改造して、薬を入れるスペースを作るわけですが、Fusion360の使い方がよくわからないので、ここから先は3DBuilderで行います。
データをSTLで保存して、3DBuilderで開きます。

Fusionでは部品の集まりだったデータも、3DBuildetでは一塊の物体に。
加工するにはこの方が具合がいいんですが。
液晶画面のところに段差があるので、そこでスライスして2分割にします。

薬入れの収納スペース。2センチ角の5mm厚で作ります。

収納スペースの枠部分。+5mmとしました。

面取りの材料。3DBuilderには四角の角面を取るツールがないので、そういうのも作ります。
5mmの円筒形

それに10mmの角柱をかぶせます。

角柱を円筒形でくりぬいた後、4分割します。

さっき作った枠の部分を中心を合わせて重ねます。

Rの面がぴったり角に行くように分割した角柱を4隅に移動させます。
位置は計算で出るので、数値入力でずれないように移動します。

で、くりぬけば面取り完了。

出来上がった枠部分を複製します。

収納部分の厚みを上げて、枠の片方に芯合わせで重ねます。

くりぬけば、枠完成。

スライスした本体の液晶部を枠に重ねます。

ピタリ合うように、数値を見ながら微調整します。
決まったところでグループ化しておきます。

次に、残った枠のコピーでWatchの胴体を繰り抜くのですが、まず先ほど作った蓋部分を本体に芯合わせで並べます。

スライス等で分割したときに、芯がずれてしまう形状の時は、移動はすべてきりのいい数値入力でやった方が間違いがないです。
今回も、実際は私は数値入力で移動してます。
(分割時点でのそれぞれの芯をメモっておいてもいいかも)
この状態で蓋のグループを解除すると、枠の芯が数値で出るので、それを参考に本体と枠のコピーを重ねます。

この時、枠のコピーを1o程厚くして、本体からはみ出るように配置しました。面をぴったり合わせてくりぬくとゴミが出やすいので、繰り抜く側の物体は大きめにしてはみ出させます。
うまく配置できたらくりぬきます。

これで、とりあえず薬入れ部分は完成。
試しに印刷!

サポートのスカート部分が本体と一体化してしまいましたorz
しかも・・・

サポートが足りないせいか、肝心のスリットの内部が変形してます。
ただ・・・

蓋はぴったり。
この精度が手軽に出せるのが光造形型のいいところ。
まあ、今までも、3Dの造形で1発成功なんてことは1度としてなかったので、気にせず改良を進めます。
そういえば、前の印刷時にスライス時のZリフト高さを0にしてあったと思いだし、元の5mmに設定。
こうすると、全体が浮き上がるので、スカートと本体が1体化することはなくなります。
スリット部に手動でサポートを増やし、再度印刷。

・・・あれ?本体は?

途中で重さに耐えきれず落下したらしい。成れの果ての塊がトレーにへばりついていました・・・
その後、何度か印刷してみたところ、どうにもスリットの変形がおさまらない。
仕方がないので、スリットの変形を最小限に抑えるべく、スリット縦軸合わせで配置しなおし。
再度印刷!!

orz
縦長に配置すると、サポートの数が減るため、重さに耐えられなくなるらしい。
こうなったら最後の手段!

今度は成功!・・・といっても。

板付きだから。
目論見は、薄い板をちっとだけくっつけて印刷し、後で無理やり剥がそうと思ってたんですが、思ったよりしっかりとくっついてました。
ただ、向きを変えただけあってスリットはきれい!
果たして本物のバンドは・・・・

入りませんでしたorz
印刷誤差で微妙に入らないというよりは、まるっきり別物の小ささ。
たぶん、元々のデータがそこまで厳密に作られてないみたい。
しかも・・・

サイズも小さい。
まあ、これはデータが38mmWatchなのに対してバンドが40mm用だからなのですが。
横幅はデータのサイズアップで対応するにしても、スリットは作り直さないと使い物にならなそう。
とりあえず、ノギスでバンドの留め具をしらべてデータ作成。
スリットに金物が入るということは、金物の断面は一定の形状だということ。
なので、その形状データを作ってくりぬけばスリットができるはず。
金物先端は多少潰れた円形なので、円筒を作って軽く扁平させます。
それに角柱を重ね、さらに板をちょっとだけ斜めに重ね、板でくりぬけば大体の形ができます。

ちなみに板の角度は目分量^^;
できたら、ちいさいボックスを作り、それをくり部いてテストピースを作ります。


厚さは5mm。30分程度で印刷できます。
結果は・・・

小さすぎて入りません。
テストピースの作り直し。

で、印刷時間は変わらないので、どうせならとサイズを変えて2個作成。
ピースの後ろに印をつけておいて、区別がつくようにしておきます。

今度は・・・

一番大きいのがピタリサイズ。
これでくりぬけばうまくいきそう。
期待を込めて、データを作成。
くり抜きようの立体を複製して、角度と位置を合わせて重ねます。

これでくりぬいたら、再度印刷。

今度は、定着用の板を最小限にし、サポートをスクエアにして、恥をわずかにくっつける程度にしました。
サポートのスカートの方が厚みがるので、本体に近づけすぎると取れなくなりそう。
サポートと定着用板を一気に割り取り、残ったバリをカッターで削り取ります。
出来上がったらベルト装着!

サイズも幅もぴったり!
満足のいく完成度です。
本物と比較。

う〜ん、そっくり!(どこが)
ということで完成。
といっても、Watchの機能があるわけではない(あたりまえ)ので、時計代わりに装着するわけにもおいかず。
今はこんな感じで緊急用の薬入れになってます〜

このWatchのバンド、元々はミネラーゼループと一緒に買ったもので、仕事時はこっちのバンド、普段時はミネラーゼと使い分ける予定だったのですが。
ミネラーゼループの使い心地があまりに良くて、仕事時も普段時もずっと使い続けるようになってしまい、ずっと放置されていたものだったりします。
こんなんでも利用方法ができてよかったよかった^^;
ちなみに、NT処理をしていないのは、時間軸的にこれを作ったのは先だから。
また、サポートの密度を上げれば物体は落下せずに済みます。
そうしなかったのは単に気が付かなかったから^^;
私の未熟さも記事のスパイス!