古いMDをバックアップしてみた


もう20年も前の話。

私がまだ若かりし頃、数人の仲間と音楽活動(アマチュアですが)をしていた時期がありまして。
練習風景の録音やミックスダウンによく使っていたのがMDというメディア。
44.1kHz,16bitのデジタルレコーディングができて、8cmCDより小さく、ジャケット付きなので埃に強い。
当時はMDウォークマンなどの小型プレーヤーも沢山あり、それなりに使用者も多かったように記憶しています。
最近、当時のメディアを押入れの片隅から発見し、久しぶりに聞いて懐かしんでいたりします。
で、まだメディアとプレーヤーが生きているうちにPCに保存したくなりまして。

というわけで今回のお題。

古いMDをバックアップしてみた!


MDに録音してあるといっても、当時のソースはアナログ。8trMTRからミックスしたり卓のLINEから直録りしたものだったりします。
なので、最初に考えたのがプレーヤーからアナログで入力する方法。
MDプレーヤーはKenwoodのDMC-F5Rというので、残念ながらLINE出力がないので、ヘッドホン出力を利用します。
でもって、今時のノートPCにはLINE入力なんてシャレたものはついていません。
こちらも、押入れの奥から"SoundBlaster"という、USB接続のオーディオI/Fを引っ張り出してきまして。
こんな感じで接続。

アナログ接続

で、Win10のドライバどうしようかなーと思いつつUSBを接続したらそのまま認識したので、何もせずにWin標準のボイスレコーダーで録音。
・・・・ん?なんか変な音が・・・
無音、もしくは音が小さい場面で、なんかやたらとノイズが目立ちます。
試しにケーブルに触ってみたらガリガリガリ!と嫌な音が・・・
ケーブルが古いのか、端子がさび付いているのか、ノイズを消すことができません。

さて、MD自体は44.1kHz16bitStereoのデジタル録音です。
なので、これをデジタル出力できればノイズに悩まされることなく録音ができるはず。
残念ながら私のプレーヤーはデジタル入力はあれどデジタル出力はありません。
でもって、”MD バックアップ”で検索してみると、ソニーのMZ-RH1というプレーヤーがなんとUSBでPCに接続できるらしい。
これはべんりそう〜とオークションサイトを見てみると、4万だの5万だのという金額が。

た・たかい・・・そんなには出せないなぁ・・・

ならば、デジタル出力を持っているプレーヤーを探してみたのですが。
ポータブル機でデジタル出力を持っているのは数機種。
で、それらはジャンク扱いでも4〜5千円、美品だと1万円近くします。
この際、ポータブル機にこだわらない(というか、聞くだけだったら完動品のプレーヤーが手元にある)と、MDデッキまで探し始めたのですが。
デッキタイプの物でも、デジタル入力しかないものが結構あり、しかも型式から取説を探して確認しないとデジタル出力があるかどうかもわからない。
(現行品ならカタログに書いてあるんです。安く中古を手に入れようとしてるので手間がかかる・・・)
で、見つけたのがなんとAmazonだったり。
中古の動作確認品。送料込み5800円。
さっそくポチってしまいました。



2日ほどでブツが届きました。
段箱

ちょっとよれた、ポップコーンの箱。
気持ち不安になりつつも開封。

中身

よかった、中身はまともそう。
箱から引っ張り出してみます。

ONKYO MD-122MX

ONKYO MD-122MXというMDデッキ。
Hi-MDやMD-LPには対応していないようですが、わたしのMDもそもそもそんな規格に対応してないので問題なし。
もともとはINTEC275シリーズという、組み合わせコンポの一部のようなんですが、メーカーサイトにも取説がありません。

オーディオショップで売られていたもののようで、シュリンクラップされていましたので、びりびりと剥ぎ取ります。

コンソール

う〜ん、きれいでビックリ。
見た目だけなら新品同様です。

裏側に端子類

コネクタ類

きちんとデジタルアウトもついています。
でもって付属のケーブル。

付属ケーブル

赤白の端子がRCAケーブル、黒く細いのが光ケーブル。
これをさっきのデジタルアウトに接続。

MGのDigitalOUT

ケーブルの反対側はSoundBlasterのデジタルインに接続。

SBのDigitalIN

これでアナログ入力は不要になったので、モードを”DigitalOnly”に切り替えておきます。

デジタルモード

準備ができたら、いよいよ電源を入れます。

電源オン

おお、電源が入った!(あたりまえ)
でもって、MDをスロットにはめ込むと、すっと飲み込まれて・・・

MD認識

きちんと認識します。

ちなみに、私のMDプレーヤーはMD-LPには非対応ですが、モノラル録音ができるようになっているため、74分メディアで148分の長時間録音ができます。
演奏の練習時はこのモードで録音したものが多く、これを再生できるか不安だったんですが。
問題なく認識してくれたので一安心。

お次はPCの設定。
右下のスピーカを右クリックして、出てきたメニューで”サウンドの設定を開く”を選択。

サウンドを右クリック

サウンドの設定が出たら入力デバイスをSPDIF-Inに切り替えて”デバイスのプロパティ”をクリック

設定→サウンド

デバイスのプロパティが出たら、”追加のデバイスのプロパティ”をクリック。

入力デバイスのプロパティ

SPDIF-Inのプロパティが出るので、”聴く”タブを選択。

プロパティー→聴く

”このデバイスを聴く”にチェックを入れると、MDの音がスピーカから出るようになります。
でもって、”詳細”タブを選択。

プロパティー→詳細

既定の型式を、MDのサンプルレートに合わせて”2チャンネル、16ビット、44100Hz(CDの音質)に切り替え。

これで準備完了。
MDのPLAYボタンを押すと・・・やた〜〜音が出た!・・・・ん?
なんか、ぶつぶつと派手なノイズが混じってる。デジタルなのにノイズ???
ケーブルを挿しなおしても、サンプルレートを変更しても、PCを再起動しても一向にノイズが消えません。
もしやデッキが不良品?
不安になりつつ、デッキのヘッドホン端子に直接イヤホンをつないで・・・あれ?ノイズ全くない?

・・・ん?PCの音とキーが違う???

どうやら、SoundBlasterのサンプルレートの切り替えがうまくいっていないらしい。
44.1kHzのデータを48kHzで受信してるから、音のキーが高くなってしまってます。
OS標準の共通ドライバだと、時々こういう問題が発生します。
こういう場合の常套手段はメーカー指定の正規ドライバインストール。
ただ、何分古い機会だから、Win10のドライバなんてないかも・・・とりあえずメーカーサイトへ。
機種名を調べて検索すると、Win7用の64ビットドライバーがあったのでインストール。

ドライバインストール

再起動して、サンプルレートを切り替えて・・・おお〜〜まともでクリアな音が!
これでやっとバックアップできるぅ〜〜!

録音環境完成



この後、いくつかの録音ソフトを試してみたものの、思い通りにいくものが見当たらず。
結局、ボイスレコーダーで録音、OnlineAudioConverterでMP3に変換、Audacityで分割という方法で整理しています。
いや、練習MDって、無音ややたら音が小さい部分が結構あって、自動分割しようとすると分割数がやたら増えたり、一部消えちゃったりするんで。
手動編集最強!
昔の録音を楽しみつつ、ちまちまと整理をすすめてます〜〜


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