工人舎SA1ジャンク修理

私、たびたびあちこちに書いていますが、小さいPCが大好きです。
持っているPCだと、SONYのPCG-U101とVGA-UX90Sの2台。
ほしかった機種はいろいろ。LibrettoやLOOXなど。

で、そんな中で工人舎という、どちらかというとマニア向けPC(とか書くと語弊がありますが)を中心に作っているメーカーがありまして、ここも小さいPCを作るのが得意。

その工人舎で昔出していた、SA1というPCG-U101位のサイズのPCが手に入りまして。
もちろん、まともに動くわけではない。というか電源が入らないマシン。

というわけで今回は


工人舎SA1ジャンクをもらったから修理してみた!



外観はこんな感じ。

工人舎SA1F00
開いたところ

黒いボディーがイカス、にくいやつ^^;
液晶部は回転できるようになっていて、くるっと裏返して今で言うパッド系のような使い方ができるようになっています。
といってもタッチパネルではないので、液晶の左右にスティックとスイッチがついていたりしますが。

サイズを比較するためにPCG-U101と並べてみました。

U101と比較

横幅は多少SA1Fの方が大きいのですが、奥行きはほぼ一緒、厚さはSA1Fの方がかなり薄い。
本などと一緒にかばんに入れて持ち運ぶには具合がよさそうです。
特筆すべきはキーボード。このサイズでかなり大き目のキートップを使っています。一般的なノートPCのキーボード並み。

さて、故障の具合ですが、手持ちのACケーブルをつないで見るとバッテリーインジケーターが点滅します。
で、スイッチのトリガーがすかすかで感触なし。
多分、トリガーとスイッチのレバーが外れてしまっていると思われます。

早速分解。
かなり昔の機種なので分解のページがあるか心配でしたが、結構詳しいページを見つけたのでそこを見ながら分解していきます

まず、バッテリーと裏側のねじを全部はずします。
メモリーカバーもはずしてしまいます。ここまでは簡単。

で、液晶を開いて、液晶の回転ヒンジ部のカバーをドライバーでこじってはずします。

回転部カバー

ただし、ここの中にはケーブル類が詰まっていますので、ドライバを奥まで挿してしまうと壊れます。浅く引っ掛けて、つめをはずすためだけにドライバーを使います。
つめが外れると簡単にカバーが外れます。

ヒンジ部のカバーをはずす

外れたら、同じ要領でキーボード上部のカバーをはずします。

キーボード上部のカバーをはずす

こちらもマイナスドライバーで軽くこじるとつめが外れます。
カバーが外れたらキーボードをはずすのですが、これが両面テープで貼り付けてあって結構しっかりくっついています。
奥を持ち上げて、手前に倒すように引っぺがすと、真ん中あたりに接続ケーブルが。

キーボード

基盤側コネクターのレバーを開くと簡単に外れます。

で、キーボードのケーブルの下にタッチパッドのケーブルもありますので一緒にはずしておきます。
ついでに液晶から伸びているケーブルもはずしておきます。
こちらはコネクタでくっついているだけなので、引っ張れば外れます。
くれぐれも、ケーブルを持って引っ張らないように。

さらに、コネクターのすぐ右側のところにねじが1本。
これをはずさないと後でパネルが外れないので、忘れないようにここではずしておきます。

液晶画面を垂直にしておいて、コネクターをはずします。

LCDコネクタ

このコネクターはべろがついているので引っ張れば簡単に外れます。
反対側に無線LANボード。
黒いアンテナケーブルのみはずせば液晶パネルは外れるのですが、さらに分解する必要があるのでボードごとはずしてしまいます。
で、ヒンジ部が4つのねじでとまっているので、このねじをはずします。

無線LANボード

この4本のねじはほかの部分のねじより一回り太いものを使っています。間違えないように分けておきます。
で、ねじをはずすとパネルが外れます。

液晶をはずす

パネルをはずすときに、ケーブルの配置を覚えておきます。間違ったら回転ヒンジに引っかかって切れてしまいそう。
無線LANボードのケーブルもここではずします。

で、本体パネルを開くのですが、ここに傷がつくと目立ちそうなので

つめで引っ張る

つめを引っ掛けて無理やり引っ張ります。
まねしないように。結構硬いので、無理すると爪がはげちゃうかも・・・
うまくいくとこんな感じに。

パネルが外れる

ここまで開けばあとは注意しながら引っ張っていくだけで爪がぱちぱちと外れていきます。
で、やっとマザーボードにアクセスできるようになります。

マザーボード

スイッチは左側の下のほう。
さて、トリガーをはめ込もうかなーとよく見てみると・・・

スイッチレバーが折れてる"

なんと、スイッチレバーが折れちゃっていてありません。
これではどんなにがんばっても電源は入りません。
こういうときはプラリペア。
こいつを使ってスイッチレバーを作ってみたのですが・・・

樹脂を盛っても折れちゃう

強度が弱すぎて、パキッと折れちゃいます。
さてどうしよう・・・・

強度が弱いのであれば、何か補強するものがあればいい。
というわけで、手持ちの端子のピンを1本引っこ抜いてきて、ライターであぶって真っ赤にしておいて

端子を差し込む

スイッチレバーがあったであろう箇所に差し込みます。
熱でレバーの樹脂が溶けて刺さるのですが、1回では刺さりきらずに数回あぶってはさしあぶってはさしをしました。

で、仮にトリガーをはめて位置を確認します。

トリガーをセット

位置は問題なさそうです。
後はこの端子を樹脂で固めればいいのですが、見るからに端子が細い。
また折れちゃうとやだなぁとしばし考えた挙句・・・・

樹脂で一体化

トリガーと樹脂で1体化してしまうことに。
トリガー側の樹脂が広いので、こうすれば強度が増すだろうと思ったのですが、これが大成功!
完全に固まってからスライドさせてみると、折れることなく動くように。
さっさと組み立てて起動実験。
電源を入れてみるものの起動しない。
あれ?なんで?と思ってよくよく見てみると、メモリが乗っていない
入手当初からメモリは刺さってなかったので、てっきりマザーボード直付けのメモリがついているかと思ったのですが、もしかするとメモリだけはずされちゃってたのかな?と思い、手持ちのメモリをさして再度起動実験。

無事起動!

おー起動した!!

この後、何度か起動実験してみましたが、レバーが折れる気配はなし。
完全復活だ〜!



ということで、またまた小さいマシンを手に入れてしまいました^^;

それはいいのですが、このマシン、メモリスロットが1個しかついていません。
手持ちのメモリが256MBしかなかったのでとりあえずそれをつけているのですが、XPを動かすにはメモリが少なすぎる。

でも、無線LANはB/G対応で54Mだし、BlueToothも付いているしUSBは2.0対応だしSDスロットやCFスロットは付いているし、外部モニター端子まで付いている!

最近はメモリも安くなっているんで、メモリを増やして使えるようにするか???

というわけで次回予告。
SA1Fをパワーアップするぞ〜〜〜!


いつものお約束。
ノートPCは基本的に分解するようにできていません。一部のメーカーを除いて、分解することで保証がなくなったりもします。
内部には高電圧がかかっていたり回転部品が使われていたりするので、分解は大変危険な行為です。
このHPでは分解を推奨していません。あくまで私の経験を記事にしているだけです。
分解、改造、修理は自己責任でお願いします〜〜


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