海辺の露天風呂



我が家では毎年お正月休みに、南の暖かいところまでドライブに行くのが
恒例になっている。

大体静岡とか、伊豆とかに行く事が多い。

ここ数年は伊豆にばかり行っているのだが、なぜかというと
伊東にある「ふしみ食堂」の鯖の塩焼き定食を食べるため。

事の発端は、四年前カアチャン抜きで日帰り伊豆半島一周の
旅に出た時のこと、昼飯時何食べようかとウロウロ。

ちょうど持っていたツーリングマップルにこの「ふしみ食堂」が載っていて
ここで「サバの塩焼き定食」を頼んだら、これが絶品。

今まで持っていた「サバ」の概念が覆された。

海から遠い山の中に住んでいると、サバといえば生臭いものと
小さい頃から刷り込まれている。

ところがここの「サバの塩焼き定食」と来たら、生臭いなんて微塵もなく
とてもよい香りがする。

何と言ったらいいんだろう。

これが本来の「サバ」の味と香りなんだろうが、山国育ちの身としては
カルチャーショックだったんである。

魚、特に青みざかなは全く箸を付けないカアチャンも何故かここの
サバは皮まで完食。

ということで今年も伊豆まで行くことになった。


布団から出たがらない、カアチャン、息子A、Bをたたき起こして
朝食を食わせたら、車に放り込み6時に出発。

去年買った新型インプも凍り付いている。

カアチャンはまだ寝ぼけているし、そろそろ飽きてきたみたいなので
運転はトオチャンのお仕事。

ひたすら南を目指す。

車の中では三人ともスースー寝ている。

ま、いいけどさ。

国道20号線で甲府まで行き、そこから国道137号で河口湖まで、
その後138号に入ると山中湖。

息子A、Bもそろそろ目を覚まし、外に出たがっているので山中湖畔の駐車場に
車を止めて一休み。

寒い風が吹く中、遊びまくる息子A、B。

いい頃加減に身体も冷えてきたので、車に乗り込み、先を急ぐ。

国道138号線をそのまま進み、小田原に出てから135号線に入る。

ホントは芦ノ湖を通って熱海に出たほうが早いのだが、海無し県に住んでいる身としては
少しでも長時間海を見ていたい。

と、言うことでなるべく多く海辺を走れるルートを選んだ。

去年は1月3日に行ったものだから、ちょうど箱根駅伝にぶつかり、渋滞して大変だったが
今年はちゃんと日をずらした。

大した渋滞にも捕まらず、目的地の一つでもある「ふしみ食堂」着。

早速「サバの塩焼き定食」を頼む。

いやー、うまいうまい。

もう少し頻繁に食べたい気もするが、さすがに遠い。

伊豆半島は海底火山が噴出した堆積物が形成した火山島が、本州に
ぶつかってできた半島。

半島全体が温泉だらけ。

温泉に入りたければどこにでもあるのだが、海無し県に住んでいる身としては
海でも眺めながら入りたいものである。

とは言っても海や富士山を見ながら入浴できるところは大抵高い。

風呂入るのに1000円以上など出せやしない。

色々調べてみると「ふしみ食堂」がある伊東から南に25Kmほど行くとバナナワニ園で
有名な熱川温泉があり、そこに熱川温泉観光協会が管理している「高磯の湯」という
海岸沿いの露天風呂があるらしい。

お腹もいっぱいになったので、早速南を目指す。

東伊豆に入ると首都圏の香りは消え、いかにも半島の道といった風情になり、
温泉の湧く港町と岩場の峠道が交互に現れるようになる。

国道を外れ、熱川の街中に入るとすぐバナナワニ園が。

入り口では一生懸命呼び込みをしているが、今回はパス。

熱川の温泉街を車で走る。

狭く急峻な道。

海から立ち上がる断崖に張り付くように、昔ながらの温泉街が続く。

人通りは少なく寂れた街並み。

あちこちから立ち上る湯気。

射的場。

まさに昭和の温泉街の雰囲気だ。

海岸線の道に出ると左に曲がる。

すぐにある公共駐車場に車を停める。

ほんとにただの海岸。

温泉なんてあるのか。

しばらく行くと受付があった。

大人600円、子供300円。

奈良本区民は大人100円で子供が50円。

夏場は併設されているプールと共通になるので大人700円になるらしい。

料金を払ったら更に海辺へ降りていく。

プールを横切り、進むと高磯の湯がある。

湯船から海岸線は見えないが海はしっかり見える。

手すりギリギリまで行き、腰に手を当てフルチンで海を眺める。

いやー、開放感。

ネットなど見るとお湯が暑いそうだが、冬だったせいか調度良い。

打ち寄せる波の音を聞きながら、快晴の空の下ゆっくりと湯船に浸かる。

気持ちいい。

海辺を渡る風が肌に心地よい。

いやー、お勧めです。

湯船の写真も撮ってこようと思っていたのですが、ずっと他のお客さんがいたのでNG。

残念。

美味しいもの食べて、温泉に浸かり、すっかり満足の一日だった。

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2012.9.19 *** Hiroshi Yae -- E-Mail: h_yae@sa2.so-net.ne.jp -- Twitter: @h_yae ***