2012年8月24日午後10時
装備品を車に積み込み、颯爽と出かけたつもりが家に忘れ物をし、あわてて戻って取ってきた矢先、彼から電話が。
彼:「今日だけど覚えてますよね?」
私:「覚えてるよ、これから家を出るところ」
彼:「よかった、いつもならもう迎えに来てるんで、もしかしたら忘れちゃったのかと」
私:「わすれるもんか〜〜!」
というわけで、実はブログで数回記事にした総火演に、今年も行ってきました〜〜〜!
ちなみに総火演がわからない方はこちらをどうぞ。
富士総合火力演習(Wikipedia)
一般人が肉眼で見ることのできる数少ない実弾演習で、その迫力がものすごかったりします。
入場には入場券が必要で、完全抽選式。当選確率14〜17倍。
これとは別に入場チケットがあり、これは一部の人に配布されているらしい。
らしいといったのは、これがどこで流通しているかよくわからないからですが・・
ちなみに自衛官時代、これを見たくてチケットを探しまくったことがありますが、一般隊員が手にいれることのできる代物ではありませんでしたorz
で、これが毎年オークションに出品されるんですが、今年は数が少なかったせいか、とんでもない値段になったりしまして。
彼いわく
「早めに落としておいてよかった、あとのほうになったら倍くらいの値段になっていた」
とのこと。
ちなみに今回は前日の予行演習のチケット。
予行といっても、ずべて本番どおりに演習が遂行されます。迫力満点。違いは防衛大臣が来ないことくらい。
というわけで、チケットを手に入れて、これで安心。というわけには行きません。
ある意味全席自由なので、なるべく前のほうに座るためには、すごく早い時間から並ぶ必要があったりします。
もちろん狙いは最前席。
ここを取るために、前日10時という早い時間に出発というわけです。
とりあえずは御殿場駅。
駅前駐車場まで、約4時間の道のり。
途中コンビニへよって、朝食・昼食用のおにぎりと水分を買っていきます。
もちろん、現地でもお弁当などを売っていますので、それを買うのもいいのですが、重要なのは朝食だったり。
さて、御殿場駅の駐車場に朝2時に乗り込むと、すぐに駅のタクシー乗り場に移動します。
この時間は、飲み屋帰りの酔っ払いのためにタクシーが数台とまっています。
そのうちの1台に乗り込み、”演習場まで”というとちゃんと演習場までつれていってくれます。
4時を過ぎるとタクシーも演習場までピストン状態になりますが、この時間は平和そのもの。
演習場までは約20分。2時半ごろには現地入りできます。
で、長い階段を上ってでかい橋を渡るとまばらに人影が。
もうすでに数人の人が列を作って待っていたりします。
その列の後ろに彼と二人で並んで座ります。
座るといっても、いすがあったり御座が敷いてあったりということはありません。あるのは火山灰の砂地だけ。
お尻のの下に敷くマットや、ちょっとしたシートなどはもちろん自分もち。
見学席もシートがしいてあるだけなので、マットは必需品だったりします。
また、この時間はものすごく寒い。8月とはいえ、富士の裾野の薄ら寒い風にさらされる羽目になりますので、長袖と簡単な防寒服もあったほうがいいです。
私は長袖しかもって行かなかったんですが、ここ数年で一番寒く、がたがたと震えながら朝を待つ羽目に。
ちなみに一番最初に並んでいた人はテントを張っていました。その中で寝袋に包まって寝ている様子。私も寝袋を持っていこうか悩んだんですが、リュックが小型のものだったのであきらめました。
ご一緒の彼はなんと30Lの登山用リュックに、防寒服などを詰め込んできていましたが、それでも荷物でパンパンになっていました・・・
で、あまりの寒さに、少しはやめの朝食をとることにします。
ここで少し食べておくと、ちょっとだけ楽になります。
朝食を食べていると、うっすらとそらが明るくなり始めます。大体4時過ぎくらい。
このくらいの時間になると、列がぐぐっとのびてきます。といっても、まだ最前列〜2列目くらいなら余裕な感じです。
そのうち、この列の脇を大型車が乗り込んできます。
イベントの出店の商品を持ってくるんですね〜
”そこの列、もう少しよけてくださ〜い”とか言われて、脇の方に詰め詰め。
数台の大型車と数台の乗用車が奥のほうまで乗り込んでいって、出店に商品を卸しつつ戻っていきます。
で、それが終わるくらいになると、OD色に包まれた人が数人、うろうろとするようになります。
自衛官のパトロールなんですね〜
このあたりで、そろそろマットをしまって、並ぼうかという雰囲気になります。
前方のテントの人たちも、テントをたたんで並びなおします。
ちなみに会場は7時ですが、列の具合によってちょっと早めに開場となることがあります。
今回も、6時半に開場になりました。
開場の30分くらい前に、隊員の方が入り口にきて、入場準備をします。
そこで、入場のしかたの説明があります。
今年は6列に並んで、左右2列が両脇、中央2列が真ん中でチケットを切るとのこと。
で、6列になるよう、先頭から並びなおします。
もちろん、隊員の方が目を光らせてくれていたので横入りはなし。
去年は何人か横入りしていた悪がいたので、強化してくれたのかな?
時間になると、いっせいになだれ込み・・・ということはありません。
チケットを切ってもらった人から順番に一列で進入していきます。
で、最前列にずらっとたったまま、両脇に隙間がなくなるまでみちみちにつめられて、隊員の指示で一斉に座ります。
荷物置く場所、ほとんどなし。
マットを出してすわると、とりあえずお土産を買いに出店に向かいます。
この時間ならば、まだ入場前の列のほうが多いので、ゆっくりとお土産を見て回れます。
ついでに彼のタバコ休憩にお付き合い。
タバコはバックヤードの一番隅っこの一角でしかすえません。
禁煙分煙も、こんなところまで浸透しています。
喫煙所から戦車が見えたのでiPhoneでぱちり。
お土産を買って席に戻ると、軽く食事。
おにぎりの残りをおなかに入れます。
で、しばらくすると試射が始まります。
戦車や装甲車がガガーっと入場してきて、いきなり“ドン!!”
その迫力に、観客から”おお〜〜〜!”と歓声が上がります。
この時間を利用して、受信機の設定。
一般放送の周波数でなく、隊員が使っている周波数を必死こいてサーチします。
ちなみに、無線機の持ち込み使用は原則禁止。受信機もおおっぴらに使っていると隊員の方に怒られてしまいますので、ポケットに忍ばせてこそっと・・・
で、この無線が受信できると、弾を打つ瞬間がしっかりとわかります。
私の場合はビデオカメラでの撮影なので、あまりシビアでなくてもいいんですが、カメラ持参で撮影しているかたがたは、決定的瞬間を収めるために受信機が必需品のようで、周りの皆さんも受信機を使っていました。
ただ、すでに周波数を抑えてあるらしく、私のようにサーチしている人はあまりいないようでしたが。
試射が終わると、しばらく暇な待ち時間をすごすことになりますが、この辺で昼間の暑さ対策の準備をしておきます
。
何しろ日をさえぎるものが何もないところで、炎天下での見学。水分の補給、日をさえぎるための帽子の着用、汗をぬぐうタオルの準備、うちわや扇子など涼しくなるための準備は欠かせません。
さっきまで寒さから身を守ってくれていた厚手の長袖をここで脱いで、半そでの薄手のシャツに着替えます。
本番開始は午前10時。後ろを見ると目いっぱい満席!
ちなみにこの予行演習のときは、会場の半分くらいは自衛官で埋まっています。隊員も見学するんですよ。
多分みんな幹部候補生でしょうけど・・・
前半の部は火力の説明。どんな武器でどんな火力を持っているか説明し、実際に撃って威力、命中率などを確認します。
圧巻なのは迫撃砲の精密射撃。富士の空に富士の形の空中爆発を見せてくれます。
射程も着弾時間も違う数種類の迫撃砲で時間ぴったりに爆発する精密さ。なかなか見れるものではありません。
後半の部は先頭を想定した状況演習となります。
いつもの流れだと、偵察隊が偵察活動をして、攻撃隊が攻撃という順番なのですが、今年はなぜか海上自衛隊の洋上偵察(オーロラビジョンでのビデオ映像)から始まって、上陸→展開までをビデオで流していました。
さいきん、海上〜孤島でいろいろといざこざがあるようですので、”自衛隊が出ればこんなにしっかり活動できるんだぞ!”という宣伝のよう。
おかげで、その後の攻撃時間が短くなってしまったようで、今ひとつ物足りない演習になってしまいました。
後半の目玉はなんと言っても今回初参加の10式戦車。
なんと、スラロームをしながら弾を打つという荒業を簡単にやってのけました。
これは、とある戦車が発見した敵情報が瞬時に全車両に転送され、ほかの車両は移動中でもその敵に砲撃できるシステムのおかげだとか。
これを見ると、”ああ、もう74戦車は引退させて、10式をそろえるべきなんじゃないか!”と切実に思ってしまったりします。
その後、しばらく音楽隊の音楽を聴きつつ時間をつぶして、装備品展示をまちます。
ここは毎年写真を撮っているので、あまり深追いせずに、10式の写真をメインに数箇所で遠巻きに撮影しました。
帰りは演習場から駅までシャトルバスが出ています。大体いつも1時間待ちくらい。
バスに乗り込むころにはへとへとに疲れています。
でもって、くるまで来たお客さんなどでものすごい渋滞。バスが駅に着くまで40〜50分くらいかかります。もう、眠気MAX。
今回はいすに座れたので舟をこいでいけましたが、同伴の彼は立っていたので、何度か転びそうになったそう。
御殿場駅で車に乗り換え、帰り道をひた走り。といっても、高速の入り口まではみっちり渋滞しているのでここでも眠気と時間との戦いになってしまいます。今回はバスでちょっと寝れたので大部楽でしたが。
PAで夕食をとって、帰宅は大体9時くらい。ほぼ丸一日の日程でした。
ほとんど強行軍なんですが、この迫力にはかなわない!
来年も行くぞ〜〜〜!