ポケットガイガーKITを入手しました!

福島の状況はいまだ深刻なようです。

政府も東電も大事な情報はひた隠しにして、いまだ収束のめどすら立ってないのに終息宣言を出してしまう政府。
人が住めないほどの放射性物質はいまだ完全除去のめどすら立っていません。

影響は広範囲に広がり、一般的な場所ではほとんど問題にならない量の放射線しかなくても、側溝など雨がたまりやすいところではホットスポットと呼ばれるほど高濃度な放射線物質がたまっていたり。

私の住んでいる近くの軽井沢でもうわさでは結構な濃度の放射線が検出されているらしい。

そこでガイガーカウンターのお世話になるわけですが、これがまた結構なお値段で、個人でちょっと買ってみるには敷居が高すぎます。
また、きちんとした校正すらされていない海外製のガイガーカウンターが怪しい値段で取引されていたりと、なかなか選択に問題があったりします。

そんな中、FRISKガイガーとの異名を持つ、ポケットガイガーキットを入手してみました。

そこで今回は。

ポケットガイガーキットを使ってみる!!


ガイガーという名前はついているものの、ガイガーミュラー管を使っているわけではありません。
PINフォトダイオードを検出器として使っている、放射線検出装置です。

本体価格3500円。
送料、組み立て手数料など入れても4250円と、コストパフォーマンスに優れている機械です。

ガイガーミュラー管を使ったものと比べると

利点:安い。校正が実質不要。小さいバッテリーで長時間使える。
欠点:測定に時間がかかる。
という特徴があります。素人の私にとって、校正がいらないというのが一番の利点かと。


さて、HPで注文をかけてから、約2週間程度で物が到着します。
それがこちら。 

普通郵便?

着払いでのみの送付とのことで、先ほどの料金を配達員に支払って受け取ります。

中身はこんな感じ。

プチプチにくるまれている 本体、バッテリーケース

中身は本体、バッテリーケース、接続ケーブル、インシュロック。取説すらありません。
徹底的にコストを切り詰めて、入手しやすくしているのがわかります。

HPに作り方が書いてあるので、それを見ながら組み立て。
とりあえず、これ以外にアルミホイルとFRISKの空ケースが必要になります。
ケースは当然必要だとして、なぜアルミ箔??
これはβ線の遮断に必要だとのことです。

まずはアルミホイルを指定長さに切り取ります。

アルミホイル

それを指定回数折り曲げます。

折り曲げる

まるでアルミの棒みたい。
さらに折り曲げます。

さらに折り曲げる

ここまで折ったら、平たくつぶします。
HPにはプラスチックハンマーできれいにたたくと書いてありますが、プラスチックハンマーがなかったので・・

万力で押しつぶす

万力で押しつぶしてみました。
厚いままではきれいに折れなかったので、ちょっと広げてさらに押しつぶします。

さらに押しつぶす

これくらいきれいにつぶれればいいでしょう。
要はアルミ箔同士がきれいに密着すればいいはず。

さて、ケースの加工に移ります。

FRISKのケース

FRISKのケース。中身はおいしくいただきました。
これをニッパなどでちまちまと切り裂いていくのですが・・・

ドリルで穴あけ

手元にドリルがあったので、これで穴を開けることにしました。
接続ケーブルと電源ケーブルを通す穴を開けます。

きれいにあきました

うまくいくとこんな感じ。
ちょっとバリがありますがご愛嬌ということで

加工ができたら、先ほどのアルミ箔で本体をはさんでケースに押し込みます。

本体を押し込み

意外とキツキツで押し込むのにちょっと苦労しましたが、何とか押し込みました。
で、電源線は引っ張られると痛むので

インシュロックで抜け止め

インシュロックで抜け止めを作ります。
これで蓋を閉めて、バッテリーケースに両面テープでくっつければ完成!

完成!

まさにFRISKガイガー!

ちなみに、この機械には志向性があって、FRISKとかかれたほうの放射線を拾うようにできています。
このため、空中線量を測るときは上向き、地表の放射線量を測るときは下向きに向けます。

次にソフトです。
こいつを使うためのソフトはiPhone用として出ています。

ソフトはiPhone

POCKET Geogerというソフト。無料です。
有料版のPOCKET Geoger PROというのもあります。
有料無料の差は、無料版は測定のみ、有料版は各種設定、測定結果の保存、データベースにアップロードと多機能になっています。

動作実験をかねて、自室の空中線量を測ってみます。
結果は

室内の空中線量

0.06μSv/h。誤差±0.02μSv/hなので、0.04〜0.08の間ということになります。
これを1年間に換算すると、約700μSvとなり、国際放射線防護委員会の勧告である年1mSvを下回っているので安全であるということになります。
ちなみに、自然界にはもう少し高い(年2.4mSv世界平均)放射線量があるということなので、この数値は十分低いものです。

さて、思ったよりも簡単に測定できることがわかったのですが、なんといっても測定に時間がかかります。
1回の測定に20分。
時間がかかることは当然想定内だったのですが、その間iPhoneが使えないということに気が回りませんでした^^;
で、iPhoneを手に入れてからあまり使うことがなくなったこいつ。

IDEOS

こいつを使えないかな〜とネットをあさっていたら、こんなソフトが。
GEIGEROID
もともとは別の機械用のソフトなんですが、そちらもPINフォトダイオードをつかったものらしいので、うまくいけば使えるかも。
早速ダウンロードして実験してみます。

GEIGEROIDをいれてみた

こいつも表示だけのソフトですが、グラフが表示されていたり、検出数が出たりと、ちょっとかっこよかったりします。
測定精度は変わらないので、こいつでも20分以上測定します。

結果は・・

数値が半分

検出数はほぼ一緒。ただし、μSv/h換算値が半分になっています。
ということは、この数値を2倍すればこの機械での検出値となるということ。
十分使い物になりそうです。


というわけで、実際に測りにいってきました。
こんな感じで。

車に乗せて

車のダッシュボードに乗せて測定。
これで、測定中でもはたから見たらFRISKがおいてあるだけにしか見えない!
ぜんぜん怪しまれずに測定できます(そうか?)

横向きなので、前方の空中線量ということになります。
測り方的にはあまりよくないのかな?とりあえず、車を止めておくだけではかれるので、今回はこの方法で測る事にします。


まずは、うちの畑

うちの畑 0.06μSv/h

0.06μSv/h(数値は2倍しています。)
ほぼ問題ない数値。


次に測ったのが、とある駅前の広場。

とある駅前 0.12μSv/h

0.12μSv/h
ちょっと高いけど、相変わらず何の問題もないレベル。


次は、とあるホームセンター駐車場にて。

ホームセンター駐車場 0.06μSv/h

0.06μSv/h


次にとある駅近くの広場。駅が一望できる場所。

駅近くの広場 0.06μSv/h

0.06μSv/h


とあるコンビニ駐車場。

コンビニ></a><
<a href=0.06μSv/h

0.06μSv/h


これが本命、軽井沢奥地のとある町の管理地駐車場。

とある町の管理地 0.06μSv/h

0.06μSv/h

同じ駐車場の反対側。山の斜面。

同じ場所の反対側 0.08μSv/h

0.08μSv/h


ちょっと戻って、御代田のとある新幹線脇。

新幹線の脇 0.08μSv/h

0.08μSv/h


いずれも誤差10%程度だと思います。


というわけで、あちこちいって測ってきましたが、気になるほど高い線量は測定されませんでした。
軽井沢が危ないって、どこから出たうわさなんでしょう??
もしくは、今年の雪で洗い流されて、除線が終わった状態になっちゃったとか。
いずれにしろ、健康被害が出るような数値じゃありませんでした。
安心安心^^;





さて

このわずかな数値をもって福島に結びつけるのは早計だと。
こういう測定で一番問題なのが、”福島以前のデータが存在しない”ということ。

先ほども書きましたが、世界平均で年2.4mSv(≒2.7μSv/h)なので、それくらいの線量は自然界に存在しているということです。
だから、福島以前のデータがないということは、果たしてそれが福島の影響かどうかわからないということ。

もちろん、原発周辺の高濃度汚染地域は間違いなく福島の影響でしょうけど、こういう小さい数字で比較する場合は元になるデータがいるわけで、 いわば何の根拠もない数字というわけです。
唯一の被爆国である日本ですら、平時のデータがないあたり、いかに今まで何の興味もなかったかの証明みたいなものです。
ある意味、今回の事故で現在の情報が集まりつつありますので、今後何か起こったときの比較データとしては使えるのかも・・・

というわけで、興味がある方。
自分のうちの線量くらい調べておいたほうがいいかもしれませんよ〜〜〜




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