ちっとも怖くない不思議体験

さて、今回のお題目は”幽霊”
先ほどの記事は前回同様、無理やりこじつけてしまいましたが、わたしのように霊感のない人でも、1つ2つは不思議体験をしてきています。
そんな、不思議体験をぼそぼそっと小声で書いてみます。


あれは、わたしが小学4年生の頃。

わたしの通っている小学校は全校生徒が1000人を超えるというマンモス校で、かなり遠いところから通っている子どもも結構いました。
わたしもその一人で、スクールバスに送迎されて通っていました。

で、このスクールバス、1回では全員が乗り切れないため、時間をずらして、低学年→高学年の順で生徒を送り返していたんですが、これに乗り遅れるととぼとぼと歩いて帰る羽目になります。

この日も、友達と遊ぶのに夢中になっていたせいで、帰りのバスに乗り遅れてしまいました。

一緒に遊んでいた友達と二人で帰ったのですが、その友達が近道を知っているということで、そちらを通って帰ることになりました。


この近道の途中にお寺があります。
といっても、古びて朽ち果てそうなお寺というわけではなく、古いけどよく整備されていて、境内もきれい。
藤棚があって、花が咲く頃には藤見会というイベントが開かれるほどのお寺でした。
もちろんまったく怖いと思ったことすらありません。

このお寺の裏手がお墓になっていまして、近道はこのお墓の横に続いていました。


何か気配を感じて、ふと左を見ると。

お墓の中ほどにある、割と大き目の墓石の前に何かが見えます。
丸い、ふわっとした、それでいて明るい・・・?
目を凝らしてみてみます。
大きさはハンドボール大。墓石のすぐ前で、地上からわずか浮いた状態でひかっています。
俗に言う火の玉のように、ゆらゆらゆれていたりしません。
ただ、うす青白いまん丸の明かりのよう。
もちろん、電気なんて近くにありませんし、ろうそくの炎はあんなに大きくなりません。

次の瞬間、背筋にぞくぞくっと来るものを感じて、全身が逆立ってしまいます。
びっくりして逃げるように走り出してしまいました。

数十メートルほど走ったところで一休みしていると、後から友達が走ってついてきます。

しかし・・

あれほどはっきりとした光だったにもかかわらず、その友達はまったく見えなかったというんです。
どうやらわたしが変な顔をしてお墓を見ていたのに気がついたらしく、一緒になってお墓を見ていたらしいのですが。
明かりなんてなかったよって。

それからしばらくはその道を通ることができなかったんですが、数年後、中学生のときに勇気を出してそのお墓を見に行ったんですが。
やはりひかるようなものは見当たりませんでした。


あれはいったいなんだったんでしょう・・・・?


わたしは実は元自衛官だったりします。

自衛官というのは肉体労働が基本でして、その基本的な肉体を作るために、教育隊というところで、約半年間の訓練を受けます。
訓練は前期後期に分かれています。
前期は、その期の隊員を一堂に集めて基本的体力と基本的知識をつけるための訓練を3ヶ月。
で、配属が決まって、その配属された部隊でそれぞれの専門訓練を3ヶ月受けて、はれて一般隊員となります。

そんな教育隊前期のときに経験したお話。


教育隊に限らず、自衛隊には”不寝番”と呼ばれる警備があります。
文字通り寝ずの番ですが、一晩中おきているわけではありません。
二人1セットで、1時間づつ交代。
で、一人は必ず門の前で棒を持って監視しています。
もう一人は建物全体を歩いて監視します。

この教育隊の3階に不思議な通路がありまして、何時に通っても時計のなる音が聞こえたり、こだまのように靴音が響くかと思うと突然響かなくなる場所があったりしていました。

で、わたしが気がついたのは廊下の一部が明るくなっている部分。
窓から入った月明かりがひかっていると思って気にも留めなかったんですが、ある雨の日に不寝番が当たったとき、月がないにもかかわらずその廊下がひかっていたんです。
おや?

とおもって、その光の上に手をかざして見ます。
相変わらずひかっています。
といっても、どう見ても月明かりの反射にしか見えない。

周りを見回してみても、月どころか電気の光すらありません。

手に持った懐中電灯を消してみます。

まだ光っています。

もう一度手をかざしてみます。

光はさえぎられることなくひかっています。

・・・・・

意を決して、光を手でふさいで見ます。
手の甲には光が当たりません。
指に隙間を空け、覗き込んでみます。

・・・廊下がひかっています。

もう一度手を離して、まじまじとその光を見てみます。

廊下の一部分、大きさにしてはがきの半分くらい、材質に変化なし、継ぎ目すらないのに、そこだけなぜか光っていました。

ちょっと怖くなってしまいましたが、周りはみんな寝静まった室内、声を出すわけにも走って逃げるわけにもいかず、何事もなかったかのように歩いていくしかありませんでした。


後日、この話を数人に話してみたところ、光の存在はみんな知っていたようでしたが、その全員が月明かりだと思っていたらしく、わたしの話を信じてはもらえませんでした。
が、この後2回ほど不寝番が回ってきましたが、相変わらずその光は何でさえぎっても光り続けていました。


あれはいったいなんだったんでしょう・・・・?


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