BlackBerry




先月も書いたとおり、いつの間にか手元にあるBlackBerry Bold 9700だが、タイプSSバリュー(ひとりでも
割50)+BlackBerry Internet Servise(BIS) + パケホーダイダブルの合計で毎月最低でも2,945円docomoに
持って行かれる。

3G、使い放題使うと8,540円にもなる。高ぇーぞ。

BlackBerryの場合、通常のmopera Uなどdocomoのサーバーを使うのではなく、カナダResearch In Motion
(RIM)のサーバー経由でインターネトに接続する。

そしてこのサーバーと端末間の通信が圧縮されかつ暗号化されているので、アラブ首長国連邦や、インド政府
による使用禁止の動きがあるわけだが、個人利用の場合は月々の契約料が1000円近く割高になるくらいの
恩恵しか今やない。

少し前ならBISのプッシュメールが、圧倒的なアドバンテージとしてあったが、今やiPhoneですら(しつれい)GMailの
プシュメールに対応しているご時世だ。

iPhoneの登場以来スマートフォン必須機能となっている感のあるマルチタッチには当然対応していないし、
標準ブラウザは通信データが少ないにもかかわらず表示が遅い。

代替ブラウザであるOperaも速度こそある程度満足できるものであるが、使い心地はいまいち。

アプリにたってはiTunes Storeに比べ売る気があるのかと疑いたくなるくらいヤル気のないBlackBerry App
Worldや、「どれを使うっちゅうねん」とツッコミを入れたくなるくらいアプリの数が少ないドコモアプリサイトくらいしか無い。

現在飛ぶ鳥落とす勢いで売れまくっているiPhone 4に比べるとほとんど良いところがない。

iPhoneの全面マルチタッチスクリーンと最小限のハードキーというインターフェースは今までにない圧倒的な
自由度をアプリに与えている。

何しろ電話機のくせにオンフックやオフフックキーすら無い。

iPhoneにとっては電話機能も単なる一つのアプリなのである。

ハードウェアによる縛りがなくなったiPhoneはある時はピアノの鍵盤に、そしてある時は関数電卓やゲーム機に
早変わりする。

千変万化、なんにでも変身できる自由度から新しい使い方が模索され、さらに新しい市場をも形成しようとしている。

まさにスマートフォン=iPhoneという勢いだ。

未来はiPhoneの先にある。

そういうセールストークが真実だと信じさせる力が確かにある。

でも、これが全てなのか。

スマートフォンに何を求めるか。それは人様々だ。

ある人は音楽プレーヤーとして大量の音楽ファイルをインストールしておける大容量のメモリと多量の
音楽ファイルをハンドリングできるインターフェースを重視するかもしれないし、又ある人は付属カメラの
画質を最優先させるかもしれない。

また、様々なアプリをインストールしてパソコン的に使っても面白いだろう。

中にはガラケーの延長として、あらゆるインフラサービスが使える端末がいいという人もあるだろうし
ちょっと変わったカッコいいケータイと捉えている人もいるだろう。

それら全てのの要求をアプリを入れ替えることによりかなえようというのがiPhoneを代表するスマートフォンだ。

これからはこういったコンセプトのスマートフォンが主流を占めていくんだと思う。

でも違うコンセプトのスマートフォンがあってもいい。

アプリプレーヤーとしてのスマートフォンではなくツールとしてのスマートフォンだ。

携帯電話に求められる最小限の機能を、最大限の使いやすさで実装したスマートフォン。

携帯コミュニケーション端末として出来て当然のことが普通にできる携帯電話。

そんなイメージに一番近いのがBlackBerryだと思う。

プッシュメールは当然として、PCメールアドレスでの送信ができる。

来たメールに対してちゃんとした返信ができる入力インターフェースがある。

各種データファイルから引用するときのコピー&ペーストがスムースに出来る。

ファイルシステムがユーザに開放されている。

メール着信を知らせるオプションが状況に応じて様々選べる。

音質の良いマイクとスピーカーが付いている。

通信を可能な限り確保するための高い送受信性能。

ハードウェアキーが付いていることによる各種ショートカットが充実している。

内包する様々なデータはあらゆる所でリンクしている。

等々、ハードキーボードを搭載したことによる自由度の放棄と引換に得た使いやすさや、BlackBerry独特の
各種機能はまさにコミュニケーションのためにあると言っても過言ではない。

アマチュアの楽しみのためのオモチャではない、余計な機能を削ぎ落したプロフェッショナルのためのツールとも
言えるスマートフォンがあってもいいと思うのだ。

2010.9.6 *** Hiroshi Yae -- E-Mail: h_yae@sa2.so-net.ne.jp -- Twitter: @h_yae ***