積乱雲は空中浮遊の夢をみるのか?
積乱雲ってあるじゃないですか。夏を表す季語のひとつです。
夕立を連想させたり、誰もいないバス停で同級生と雨宿りなんかしちゃって(笑)甘酸っぱい記憶を作ったり。
でもって。太陽系外の敵を倒しに出かけて、何年もかけてメールをやりとりなんかしちゃったりw
って、これってなんてほしのこえ?
ゴホン。そんな記憶のひとつやふたつ、みなさまもお持ちのことでしょう。
しかしながら、今回のお話はそんな甘いものじゃありません。
ところで。前回、こんなことを書きました。
>次回は家のリフォームのことをレポート予定。たまにはまじめに書かないと編集長に怒られそうです(笑)
すみません、これさらに来月に回します。あまりにもタイムリなネタに恵まれたものですから(笑)
現在、私はとあ〜る中小企業に勤めておりまする。
そうです、とあ〜るコーポレーション、営業13課です。すみません、ウソです。
つい先日、出張で西日本方面に出かけました。名古屋を皮切りに北九州、福岡、熊本と回ったのです。
この辺までの詳細はblogとmixiにあげてありますので、よろしければご覧くださいませ。
さて。仕事が終わって熊本空港から羽田へ向かっているときのことです。熊本発16:30のJAL便でした。
← 熊本空港から見た風景写真
ヨーロッパほど大きくない日本ですから、乗っている時間そのものは精々2時間弱程度。
ここは誰ぞばりに、サイモン・シンの『暗号解読』を読みます。
・・・って。結構難しいこと書いてあるじゃないの、これ。
適度な睡魔を得て若干の睡眠を取り、またしても誰ぞばりに水泳部の部長時代を思い出すのです。
スイミンぐ〜(爆)
あー ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。ちょっとやってみたかっただけだってば。
って! そこ、にやにやするんじゃな〜い!! 大爆笑するか、ブリザード吹かすかどっちかにせい!!!
・・・ゴホン
そして。あっという間に羽田が見えてきました。予定では18:10頃に羽田着とのこと。
着陸態勢に入って、ギヤダウン(タイヤを出すことね)、フルフラップまであと何分?
これなら9時までには家に戻ってビールが飲めるなーなどと、実に甘茶なことに考えを侍らせていたとき。
事件は起こりました。
皆さんは遊園地でフリーフォールとかジェットコースタに乗ったことがあるでしょうか?
急激な落下を体験しますと思わず吐きそうになったりますが、この瞬間、まさにそんな感覚が襲ったのです。
俗にいわゆるエアポケット。
時間にすれば1秒にも満たないと思いますが、ガクーンと地球方向に引っ張られ、自由落下を味わったのです。
さー。機内は大騒ぎ(笑) いや笑っちゃいけないのかも知れませんが。
泣きわめく子供、不安そうに周りをきょろきょろ見るおじさん、こけるCA。すみません、最後のはウソです。
着陸態勢に入ってましたから、CAを含め全員着席していたはずですね。
慌ててエンジンを吹かし、再度上昇に転じるJAL機。どうやら羽田の上空でラウンドしているようです。
その後、10分ほどしてこんなアナウンスが流れてきました。
『現在、羽田空港、成田国際空港ともに積乱雲の影響で着陸が不可能な状態にあり、検討した結果、この飛行機は中部国際空港に向かうことになりました。お急ぎのところ申し訳ありませんが・・・・・・』
確かに着陸態勢に入ろうとしていた頃、地上付近の様子が明らかにおかしいなとは思っていたのです。
やけに真っ黒な雲とか、真横に走る雷鳴とか。そしたら案の定。ふう。
まあ仕方がありません。こんなこともあるもんです。みのもんた(違)
とは言え、こんな体験は実は初めて。
ベルギーにいた頃は良く飛行機に乗ってましたけど、フライトプランの変更って言う状況はなかったなぁ・・・
40分ほどして中部国際空港に到着。この時点で19:00くらい。
降ろしてもらえるかと思いきや、着陸した先は整備場のど真ん中でした。
この時点で先行きはまったく不明。どうするのか対応を検討中とのアナウンス。
しょーがねーなーと諦めつつ、『暗号解読』を読み耽ります。
周りが少々騒がしかったですが、アタマの中でシミュレーションを楽しんでました。結構面白いな。これ。
そして。その後、20:40頃に再出発して、羽田に向かうことになりました。
件(くだん)の積乱雲は館山方向にゆっくりと移動したので、どうやら再トライするとか。
まあ、ここ(名古屋)で乗客を降ろしたら航空会社としても面倒だもんなー。しょうがない。
で。何とか着陸できました。いや〜お疲れさま。よく頑張ったと思います。
←羽田空港に着陸した直後
しかし。
予定では21:15には到着できるはずだったのですが、同じような飛行機がたくさんいて、着陸そのものは21:30くらい?
最終的に到着ロビーを出たのは実にほとんど22:00でした。
← ほらね。
さて。この状況。ちょっと冷静に考えると結構ヤヴァイですよ。
長野行き信越新幹線の最終が東京駅を出発する10分前。
わはは。もう笑うしかありませんよ、これ。
とりあえず腹は減ったし、タバコを吸いたいし、背中は痛いし。
ぼやいても始まらないので、ひとまず東京駅まで行ってメシでも食うか。
そして。東京駅の地下街に出たら・・・軒並みクローズの図。確かに11時回ってますから当然なのかも知れません。
・・・だんだん泣けてきました。
んで。ひとまず一服して、宿でも探すかと携帯からWEBサイトをいくつか当ったんですが、手頃なところが見つからない。
いろいろチェックしてるうちにいわゆる旅行代理店の電話番号が見つかったので、さっそく電話してみます。
『遅くにすみません。こんな時間からでも予約できますか?』
『はい、できますよ。ただしチェックインは24時までとなっておりますが・・・』
この時点で時刻は23:30。うわー とりあえず宿は見つかりそうだけど厳しいな〜おい。
『えとですね、いま東京駅にいるんですが、最寄で手頃なビジネスホテルってあります??』
『ちょっと電車に乗ることになりますが、有楽町駅の近くに一泊6500円のホテルがございますね。新富町の出口になります。』
よーし、それだー
『じゃあこれから向かいます。ありがとうございました〜〜』
で。慌てて山手線に乗って有楽町へ。 ところが・・・
新富町出口?? んなのないぞ。
で、今度はホテルに電話。そしたら、有楽町線の新富町駅の間違いだと判明!!
ぐは!
とにかく急げ。蒸し暑い東京をとにかく走る走る。
まあ。結果として11:58にチェックインできましたけどね。
おなかは減るし、もう最悪です。
笑うしかありません。
ひと風呂浴びてから食べたコンビニ弁当がやけにおいしかったことを覚えております。
私の乗ったJAL機がエアポケットに落ちていた頃、無邪気な積乱雲は空中浮遊の夢でも見ていたのでしょうか・・・
了