SONY XDCAM EX PMW-EX1

初めてそれの存在を知ったのは去年の4月、いつものようにネットサーフィンで
情報収集(さぼり)をしていた時です。

http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20070417/zooma302.htm

「オオー、ついにSONYのメモリーカムかー」。

そのとき使用していたSONY HVR-Z1Jを購入する時、すでにPanasonicの
AG-HVX200
のリリースがアナウンスされていました。
今後、メモリー方式が主流になるのは目に見えていたのですが、映像の受け
渡しを考えた時、当時のインフラではテープメディアにならざるをえず、結局
HDVのHVR-Z1J購入を決めました。

そんな経緯もあり、SONYのメモリーカム発表の記事を見た時は興奮したのを
覚えています。

その後、ことあるごとに情報を集めていたのですが、ついに11月末発売決定。
んん〜、欲しい。

HVR-Z1Jを使っていて不満に思うことは、メディアの違いをのぞくと

1. アイリスの調整ダイアルがちっちゃくて操作しづらい。
2. フォーカスのオートとマニュアルの切り替えスイッチがNDフィルタの切り替えスイッチに
  近い上に形状が似ているので間違えやすい。
3. アイリスのオートとマニュアルの切り替えがボタン方式のため現在の状態が分かりづらい。
4. 液晶が上下に折りたたまれる方式のため、撮影中液晶を持ってカメラを安定させにくい。

で、この辺の操作性をEX1では全部解決してあります。

また画質面ではZ1Jの前に使っていたPD150の感度が良かったせいもあると思いますが、
感度の低さとダイナミックレンジの狭さ、シャープネスの低さが不満でした。

その感度がEX1ではPD150より良いらしいと聞いてもう我慢出来なくなりました。
ということで発売日直前に前からお世話になっているSystem5さんに予約ぅ〜。

そして・・・、到着。

箱、でかっ!! それも二つ!!!

ちなみに付いたのは朝の8時半。
別に早朝指定はしてないのですがSystem5さんからの荷物はいつも早いんです。
早い分にはちっとも困りませんが普通は大抵お昼頃。
一日たっぷりいじれるので、とてもうれしいです。

さて、はやる気持ちを抑えて、とりあえず小さい箱から開けます。
スキなものは後で食べるタイプ。

段ボール箱をあけると中からポロシャツが・・・。
これはサービスみたいです。ラッキーです。

そして中に入っていたのは

メモリーカードはまだ高いので、もう少し安くなってから買いたいのですが、
EX1同梱の8GBだけではさすがに心許ないので、16GBのメモリーが着い
たセットで購入しました。

セット品のバッテリーチャージャー、バッテリー、16GBのSxSメモリーカードと
追加購入のバッテリー。

ところで、SxS PROってことはPROじゃないSxSもあるってこと?
あったら安いんだろか?

EX1に800Mbpsなんて転送速度は必要ないので耐久性と信頼性はそのままで
転送速度を落とした廉価版って出ないんでしょうか?

バッテリーとチャージャーがそろったところで、とりあえずバッテリーの充電をしておきます。
時間は効率的に使わないといけません。

さあ、これからがメインディッシュのEX1です。

表に貼られた「精密映像機器」の文字が泣かせます。

味も素っ気もない段ボール箱。
PMW-EX1の機種名もシールで張ってあります。
箱に直接印刷されているのは「PMW series」だけ。
きっと使い回すんだろーなー。

さて、箱を開けるとリモコンや付属ソフトの入ったCD、マニュアル類と
段ボールの緩衝材にくるまれたEX1が。

ん〜、けっこうでかい。

そういえば最近緩衝材は段ボールが増えましたね。

そしてついに、ごたいめ〜ん。

斜め前からと後ろから。

前部のマイク液晶部は結構大きくて存在感があります。

賛否両論のある回転式グリップは90°回転した状態で入っていました。

そしてCINE ALTAのロゴが泣かせます。

一通り回りを眺めたら、三脚用のクイックシュープレートを着けます。

けっこう小型のプレートなんですが本体左側がちょっとはみ出します。
左手で本体を支えるように持つと、ここが手に当たりけっこう痛い。

次にメモリーカードを本体に入れます。

カードスロットのカバーはシャコッという感じで開閉してなかなかいい感じ。
EX1全体に言えることですが、仕上げやデザインにあまり高級感はありません。
でも、各部はカッチリ出来ており、ガタやキシミはほとんどありません。
作りはとてもいいと思います。

ExpressCardのコネクタ部。
こんなになってるのね。知りませんでした。

そんなことをしている間にバッテリーの充電が完了。
早速取り付けます。

さあ、液晶部を開いてスイッチON!

液晶は解像度も高く、各種情報がセーフティーの外に表示されるように
なっていて使いやすいです。

と、ここまではEX1が届いた時のレポートで、実際使ってみてどうなのよということですが
まず画質や感度といった撮像部に関しては私ごときが言うことなどありません。

完璧でございます。
確かにシーンによってはMPEG圧縮による解像度低下などがありますし、
CMOSに伴う画像のゆがみもありますが実用上問題ないと思います。
CCDのスミアよりずっとまし。

まあ、ここまでのものを見せられると、メディアの転送速度が800Mbpsもあるなら
1920x1080 60PでRGB 4:4:4、フレーム内圧縮のフォーマットで記録しろよ
などと言いたくなりますが、そこまで行くと技術的、政治的な問題が多々あると思いま
すので言わないことにします。

画質に関しては100点満点といっても良いEX1ですが、操作性に関してはまだまだ
の感もあります。
まず賛否両論の回転式グリップ。

私は発想は悪くないと思います。
片手で支えるには大きく、重くなりすぎたハンディ機でいかに安定した絵を撮るかを
考えた結果で、ストラップ等を使いカメラを支えた時、無理のないグリップポジションが
とれ有効な機構だと思います。

ただ惜しむらくはグリップ位置が横に張り出しすぎたことだと思います。
グリップの下部の形状を工夫して手首を返し重量を支えようとしていますが、ボディ
形状を工夫してよりグリップを重心位置に近づけることも必要と思います。
プリズム部が円筒形の必要はなく方形にすることで横幅をギリギリまで詰めるように
すれば、より高い操作性が手に入ったのではと思いました。

次にスイッチ。
スイッチの位置はよく考えられていて使いやすいものですが大きさ、形状などもう少し何とか
ならないでしょうか?

たとえばメインスイッチ。

位置は悪くないと思いますが、こんなに小さくてストロークの短いスイッチで3ポジションっ
てどうなのよ。
メインスイッチはONとOFFの2ポジションが良いのではと思います。
ただそうなると、撮影モードと再生モードの切り替えスイッチもつけなければならず
そのスイッチが知らない間に切り替わっていて撮影が出来なかったということがある
かもしれません。
そこでモード切替は押しボタン式にして、メインスイッチがONになったときは必ず
撮影モードで立ち上がる方式がよいかと思います。
でもそうなるとモード切替ボタンのつける位置が難しいか・・・。

スイッチに関してはここもちょっと不満。

レンズ取り付け部分下部のホワイトバランスボタンとシャッターのON/OFF
そしてアサインボタン。
本来ならこのアサインボタンにレックON/OFFを割り当てたいのですが、
形状と位置がシャッターON/OFFスイッチに近いため間違えて押しそうで
現在のところなにも割り当てていません。

ここはシャッターON/OFFスイッチをゲインやホワイトバランススイッチのように

トグルスイッチにして、アサインボタンをグリップのレックボタンのように
ラバーコートにしてボタンの大きさを大きく、ストロークを長くしてくれる
とうれしいんですが。

というより、メインスイッチもトグルスイッチにして、ボタン類はすべて
ラバーコートにして大きくして欲しい。

後、グリップの人差し指で操作する部分。

ここって操作しやすい場所だし、割り当てる機能、もうちょっと何か無かったんでしょうか。
エクスパンドフォーカスは、ピント合わせのために画面を一時的に拡大する
機能ですが、このボタンを操作した後は必ずフォーカスリングを操作しますので
三脚使用時のことも考え、フォーカスリングの側につけるのが良いと思います。

そしてレックビューはわざわざこんなところにつける機能じゃないと思うし、個人的
にはジョグダイアルをつけて各種機能の切り替えや設定が出来ると良いんじゃないかと。
そうすればダイレクトメニュー機能もより生きてくると思います。

他にもズームリングが軽いとか言い出せばきりがありませんが、おしなべてよくねられた
操作性だと思います。
Z1Jなどと比べて「こんなんじゃ使えねー」などということはなく、もうちょっとこうだったら良い
というレベルです。

取説にソリッドステートメモリーカムコーダーと書かれているように、撮影時動くところが
ほぼ皆無。
テープ式のカムコーダーのようなドラムや巻き取り軸もなく、デジイチのようにシャッターや
ミラーもない。
動くところはフォーカス、ズームレンズ群とアイリスだけ。

そして撮れる映像はHDのみ。それもHDCAMに匹敵するような高画質。

まだまだ周辺環境は十分とは言えませんが、新機軸の固まりのようなハードウェアと
とんがりまくった各種仕様でとても魅力的なカムコーダーです。