能登半島旅行記 vol.4

唐突ですが、新年明けましておめでとうなのである。いやはや、金沢の仕事もとうとう年越してしまったが、多くの人のご配慮により徐々に落ち着きつつあり、あとカレンダー1〜2枚めくれば信州人に戻れそうな様子となってきた。連載の方はvol.3を終えたが、まだ半島先端を折り返したところであり、まごまごしていると年度越えになりそうだ。少々ピッチを上げ忘年度会(今年はどうする?)ごろには出発点の金沢まで帰りたいと考えている。尚、今月は番外編「恐るべき電気の恐怖」と豪華2本立てとなっているのでそちらの方もお楽しみあれ。それでは新年最初の能登半島旅行記、とっとと始めるのである・・・

恋路海岸

先月紹介した見附島からこの恋路海岸までの海岸を「えんむすびーち」と言う。安直だがなかなか良い命名である。恋路海岸とはロマンあふれる美しい名だが鍋乃と助三郎の悲恋物語を基に名付けられたらしい。暗い夜、鍋乃の灯す明かりを目標に忍び逢いを重ねていた助三郎だったが鍋乃に想いをよせるもう別の男が目標の灯火を崖に移した為に男は海に捕らわれてしまう。鍋乃は別の男の想いを受け入れることなく助三郎の後を追い海に身を投げてしまったという話だ。現在はカップルに人気のスポットとなっている。


九十九湾

秋葉に同じ字を書く電気屋さんがあるので皆さんには振り仮名不要と思うが「つくもわん」と読む。小規模ながら完全なリアス式地形で複雑な入り江が連なる。湾の奥は外海が大荒れでもほとんど波立たない。まるで湖と見まごう鏡のような海面をごらんあれ。又ここでは船底がガラス張りの水中観光船で周遊することも出来る。九十九湾に行かれたら乗船してみたら如何だろうか?



縄文真脇温泉

能登半島先端を回りこみ大分走って来たがここで日が傾いてきた。夏の日は長くまだまだ明るいが金沢まではまだ道のりがある。日帰りのつもりで出てきたが予定変更。残りの道のりは明日制覇することとした。まずは初日の疲れを癒そうと縄文真脇温泉に行く。真脇遺跡近くの高台にあり日本海を望みながら入れる露天風呂やサウナなどをはじめユニークな多数の浴槽がある人気の日帰り温泉施設だ。泉質はナトリウム−塩化物強塩泉で濃度は極めて濃いとの事。源泉を舐めてみると強烈に塩辛く効能に期待できる。皆さんも近くに来られたらご賞味(?)あれ。


宇出津

ピンポーン。久しぶりの難読クイズである。宇出津=なんと読む?(正解は最後に・・・)

宇出津へ移動し夕食をとったあと「ぶり漁」の拠点となっている宇出津港へ行ってみた。すでに辺りは暗くなっており月や灯台の明滅が綺麗だったのでD70を固定して長時間露光してみた。ちょうど漁船が通りかかり航行灯が軌跡を引いた。もしかしたら「ぶり」を漁りに行くのだろうか?


能登海洋深層水施設

能登町の海は富山湾に面しており、その海底は1km沖合いに出る毎に100m近くも深くなる急傾斜だ。この施設では沖合い3.7kmの深度320mの海底から海水を取水している。この深さの海水は独特な地形により外海との換水が行われず、はるか昔からそこに留まっている日本海固有水で清浄性、富栄養性、熟成性、ミネラル特性、低温安定性に優れているという。

同施設では海洋深層水を会員登録した町民に海洋深層水などを販売しているが、私が訪れた当日はちょうどイベントが行われており、「記念にどうぞ」とわざわざ会員登録もしてくれ海洋深層水はなんと無料で頂戴した。この水のその後は連載の後ろの方で紹介しよう。



ぼら待ちヤグラ

海中に三角のヤグラを立て、その下に網を仕掛ける。やぐらの上で「ぼら」が来るのをじっと待つ。「ぼら」が網に入ったら網口の綱を手繰り上げを上げる。江戸時代から続いているという原始的でなんとものんびりとした漁法である。さすがに現在では行われていないとのことだが、ヤグラの上では漁師(?)がじっと「ぼら」を待っていた。


難読クイズの答え

宇出津=「うしつ」


ふーっ。今月は原稿2本立てで大変だった。白戸さんには締め切り間際にメモ解読をお願いしてしまったが素早いご対応をしていただきもう一本の原稿も無事投稿できた。お礼を申し上げる次第である。連載の方も何とか先が見えそうになってきた。あと少し頑張ってみよう。それでは又次回お会いしましょう。

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