能登半島旅行記 vol.3

2回連続で例会を「すっぽかした」コメットです。まだ除名になっていませんか?窓の外は「ゆきおこし」(雷)が鳴り響き、空は鉛色の雲で覆いつくされているのに連載3回目は未だに真夏の能登半島旅行記である。コリもせず放出するがよろしかったらお付き合いくだされ!

珠洲製塩

ここでは昔ながらの作り方である「揚げ浜式製塩法」で塩を作っている。一般観光者も製塩所内を見学可能で各種塩製品の直売もしている。戸外に薄く敷き広げた砂に海水を撒き、日光と自然風で水分を蒸発させる。塩分の残った砂を掻き集め、筵を敷いた「たれ船」という桶(?)に入れ、上から海水をかけると下から高濃度の塩水(かん水)が出てくる。このかん水を大釜に入れ煮詰めると塩が凝結してくる。凝結せずに残った液体が「にがり」である。作業所の端に味見用の塩が置いてあるので摘んで舐めてみる。甘味のある(?)やわらかいしょっぱさの塩で精製塩のように塩辛くはない。現代、塩は大工場で効率よく大量に作られるようになったが、上げ浜式製塩法は重労働で長時間をかけ僅かな量の塩しか得られない。こうして作られる塩はとても貴重品なのである。


ゴジラ岩

珠洲市赤神海岸には奇岩が多数あり想像力のある方々が観ると様々な物に見えてくる。中でも特に面白いのは日本が誇る怪獣映画の主人公(?)にそっくりの「ゴジラ岩」である。ゴジラは海岸から少し沖合に立っているが私が着いたときはちょうど引き潮時だったので岩場を歩いて近くまで行くことができた。あちこち位置を変え良いポイントを探してみるとまさしくゴジラのシルエットになり、口らしい窪みの中には牙らしきものもある。なかなか良く出来た自然の彫刻奇岩である。別に会長さんが夜中に来て彫刻のみを片手に・・・ってもういいか?ちなみに石川県出身のメジャーリーガー松井秀樹選手はゴジラと呼ばれているが、この岩とは関係ないらしい。



エゴ草

快調に木の浦(きのうら)の沿岸道路を走っていると道端に敷かれた筵になにやら干してある。車を停めて作業をしている爺様に尋ねたところ「エゴ草」との回答。何に使うのかと更に尋ねたところ「寒天」の原料で目の前の海に生えているとの事。海中公園に指定されているその海を覗いてみると透明度の高い海水を通して海底にエゴ草が沢山生えているのが確認できる。寒天の原料と言えばテングサばかりと思っていたがエゴ草で作った寒天もあるのか。爺様は私の車のナンバーを見て「長野から来なさったんかい」と聞いてきた。長野県では屋外で天然冷凍による寒天作りをしている事をご存知知なのだろうか?


狼煙

海抜47mの禄剛崎。車で行くことはできないので上り口の向かいにある有料駐車場に車を停めて徒歩で登る。この日の気温は34℃もあり10分程度の上り坂で汗だくになってしまったが岬からの眺めは格別で疲れも吹き飛ぶ。条件がよければ佐渡島も望めるそうだ。海から昇る朝日と海に沈む夕日が同地点でみられる事でも有名である。岬上には明治16年製の白亜の灯台が立つ。明かりの明滅を電気の点滅でなく、光源の周りを回る遮光板で実現している灯台はここだけである。昔はここで狼煙(のろし)を焚き船舶航行の安全に寄与していた。狼煙という地名もそこから来たそうだ。灯台の後ろには「能登半島最北端の地」と書かれた丸太が立っている。しかし地図によると禄剛崎は最北端じゃぁない。ちょっと輪島方面に戻ったシャク崎のほうが緯度が高いのである。日本の最北端である稚内に一番近いというのなら判るが・・・。気のせいかもしれないが政治的な匂いがする。う〜ん、「シャク崎残念!!」である。ちなみに同じ岬上に俳人山口誓子の「ひぐらしが鳴く奥能登のゆきどまり」の句碑があるが、まあくさんと会長さんが今はまっているゲームとは関係ない。


見附島

先程の禄剛崎を堺にして外浦から内浦に回り込んで来た。内浦に入ると海の表情は一変しまるで湖のように穏やかな水面となる。その穏やかな水面に陸地からポツリと取り残されたようにある島が見附島であり能登観光の定番である。地元の人々はその姿から軍艦島と呼んでいる。島の上部には生い茂った木々と社が在り過去には人々が上陸できた。今は社も朽ち果て人も行かない・・・いや行けない。今は人に代わって鳥達の楽園となっている。当日もひっきりなしに飛び交っていた。沖合い100m程の所にある見附島だが、岸から岩が並べられてあり海の状態が良ければ島の近くまで渡って行くことが出来る。しかしかなり足場はかなり悪く所々はピョンと小ジャンプをしなければならない。ちょっと油断すると悲惨なことになるので注意が必要だ。珠洲名物の七輪は珪藻土が原料となっているが、見附島も主に珪藻土で出来ている。(まさか見附島を削りながら作っているわけではないだろうな?。八戸さんや藤沢さんにはダイナマイトを密造するときニトログリセリンを浸み込ませる土と説明したほうが良いだろうか・・・


連載第3回でやっと能登最先端の珠洲市までたどりついた。ちっとも上達せず相変わらず「へたっぴー」ですが最後までお読みいただきありがとうなのである。ご意見、ご感想、ご要望があればメールを頂きたい。はたして4回目はどうなるのか?期待せずにお待ちあれ。

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