能登半島旅行記

前書き

本人の意向とは関係なく会社都合により4月から金沢の住人(?)にされてしまったが、仕事に明け暮れるばかりでなく休みの日には石川県観光を楽しんでいる。ウィングの原稿、何を書こうか悩んだ末、能登方面をドライブしてきた時に観た事、知った事を紹介することにした。将来、どなたか能登方面を訪ねる時に参考していただければ幸いである。目指すは、まあくさんの「エジプト旅行記」であるが本家より遥かにスケールダウンする予定なので間違っても期待などしてはいけない。八戸さんによると原稿の長さに制限がないとの事。小ネタは結構たくさんあるが一度に書き上げる気力はないので適当に小出しにすることで連載をもくろんでいる。初回のみで打ち切りとなるか最後まで書ききれるか、とりあえずスタートしてみよう。

出発

2006年8月。とある土・日は連休だった。交通費と片道3時間をかけて坂城に帰ったとしてもてたいした用事があるわけではない。天気も良さそうだしどこかへ出かけてみようかと思いつく。どこへ行こう・・・、兼六園?、白山?、松井秀喜ベースボールミュージアム?・・・海無し県に住む信州人としてはあこがれの海へと能登半島方面を目指す事とした。一人旅・・・移動はマイカー・・・予定プラン無し・・・お気楽ドライブである。とりあえず地図持ってD70ぶら下げて出発!


能登有料

事務所兼宿舎のアパートは金沢市中心からちょいと北側に寄った「諸江」というところにある。ここから能登有料道路の起点までは5分とかからない。この道路は日本で一番長い自動車専用道路だそうだ。(来る途中通って来た上信越自動車道や北陸自動車道も自動車専用道路で、能登有料よりず〜っと長いと思うのだが・・・?)

一部対面通行で50Km制限の所もあるが、金沢側の方は80Km制限で快適にドライブできる。私は風景を楽しみながら何か見つけると片手でシャッターを切ったりしてののんびりドライブだが、中には追越車線をとてつもないスピードで走り抜けていく車もある。後ろにも目が必要だ。尚、ここにはオービスが設置されている。通られる方はちょい手前に看板があるのでお見逃しなき様ご注意くだされ。さっきの車オービスに引っかかれー!

通行料金を調べずに入って来た有料道路。身包みはがされる事はないだろうと恐る恐る料金所で停車、普通車220円。意外と安いじゃん。つかの間ホッとしたが今もらった領収証をよく見ると起点〜高松」と印刷されている。どうやら後で追加料金を取る仕組みらしい。今回は西山インターで降りたが料金所が途中に3箇所もあり合計で720円支払った。ちなみに全線利用の場合は、最初の料金所で「全部」(九州じゃ*がらラーメンじゃないよ)と言うと途中の料金所でいちいち財布を出さなくてすむのだ。



渚ドライブウェイ

今回は素通りしてしまったが以前に行った事があるので紹介しよう。今浜から千里浜までの海岸線には「なぎさドライブウェイ」と呼ばれる道(?)がある。ここは砂浜なんだけど砂がしまっていて4駆でない普通の車で走る事ができる。時々観光バスやら2輪車やらも入って来る。ちなみに先日、内灘砂丘に車で乗り入れ、危うく虜になりそうになったことがある。その時は4駆に入れてやっとこさ帰還できた。「くわばらくわばら」である。よく見ると所々に虜の跡がある。皆さん苦労して脱出したのだろう。写真を撮ってきたのでご覧あれ。


話は渚ドライブウェイに戻る。砂浜を転圧などしてはいないが路面は平らで結構スピードも出せる。所々に「川あり注意!」とか「凸凹注意!」などの看板がある。そこを調子よく走り抜けると空を跳ぶ事があるのでご注意あれ。あ、それともう一つ、車の底が塩でやられるのでここを走ったあとは洗車をお勧めする。

海岸には海の家が立ち並び、どこの店でも貝焼きや浜焼きなどを売っている。私はこの時ちょっと二日酔い気味だった為、スープ目当てにラーメンを注文した。しばらく待って出てきたラーメン。見た目はフツーだが、これがとてつもなくまずい!!私もあちこちでラーメンを食べ歩き、時折おいしくないラーメンに当たる事があるが、これほどの物体に遭遇したのは本当に久しぶりだった。あんな物体を販売していて手が後ろに廻ることはないのだろうか・・・?



志賀町

信州には同じ字を書いて「しが」と読む高原があるが、こちらは「しかまち」と読む。原子力発電所がある町だ。この町には「世界で一番長いベンチ」というのがある。実に460mもある。ギネスブックに載ったとテレビで放送していたのをだいぶ昔に観た記憶がある。1,346人が一つのベンチに同時に座ったと当時は賑やかだったのだろうが、現在は観光客も少なく、傷みの進んだ木製ベンチも淋しかろう。ベンチ後ろのパークには岸壁の母(像)があり帰らぬ息子を待っていた・・・



琴ヶ浜

ここは砂の上をすり足で歩くと「キュッキュッ」と音が出る鳴り砂で有名で、ここら辺では「泣き砂の浜」と呼んでいる。ピンポンピンポーン・・・いきなりだがここで難読クイズである。「泣き砂」と書いてなんと読む?(正解は最後に・・・)

この辺の河川上流部には花崗岩の分布がある。花崗岩は長石と石英と雲母て構成されている(小学校で習った?)。水に運ばれ波に洗われるうちに比較的やわらかい長石、雲母は微細化、風化して土に帰り、硬度の高い石英だけが残り浜に堆積する。砂中の石英比率がある程度高くなると石英同士が擦れあって音が出る様になる。これが泣き砂の正体である。

泣き砂は微量の汚れが混入しただけでも泣かなくなってしまうので環境保全のバロメーターとしての役目も負っている。砂浜には「泣き砂を守ろう」、「タバコ、バーベキュー禁止」の立て看板があるものの、現実にはあちこちに焚き火や花火の跡が残りマナーが問われる。

日頃私の行いが悪いせいなのか、焚き火や花火に興じた人のせいなのか、はたまた地球規模の環境汚染が進んでいるのか判らないが、当日はいくら踏んでもにじっても砂は泣かなかった。冬になると泣き砂は海にさらわれ、荒波に洗われ、春になると又浜に戻ってくる。来年は美しい「泣き」に期待したいものだ。



赤神

この辺にある大小の岩はのきなみ写真の様に赤い色をしている。別に会長さんが夜中に来てペンキを塗った訳ではない。夕日に照らされた時の茜色はすばらしいとの事だが、昼間に見るとけっこう気色の悪い色をしている。あまり長居をすると体に染みこんできて病気にでもなりそうなので先を急ぐ・・・



男女滝

難読クイズ第2弾である。「男女滝」=なんと読む?(正解は最後に。)

共に落差35mもある男滝と女滝の二本の滝から成る。支流の男滝は急な奔流の後、深い淵に流れ込む雄々しい滝であるが、本流の女滝の方はなめらかに女体を這うように滑り流れるやさしい滝だ。女滝は自然の滑り台と紹介されているが本当に誰か滑った事があるのだろうか?滝の上に立ってみると結構な急角度で岩肌も見た目ほどなめらかではない。ここを滑り降りるには防護服着用のうえ救急車を待機させておくことが必要だろう・・・



連載第1回はここまでである。

下手な文にもかかわらず最後まで読んでいただき誠にありがとうございました。

「もうやめろ!」という意見がごく少数にとどまり、当人に気力が残っていれば次の機会に続きを紹介しようと思う。

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制作・著作 コメット

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難読クイズの答え

「泣き砂」=ごめきすな(能登地方の方言で「泣く」=ごめく)

「男女滝」=なめたき